排水パイプ洗浄器具の種類と使い方について
排水パイプ洗浄器具には、いくつか種類があります。そのため、各特徴を理解し、一番適した方法を選択する必要があります。
目次
吸引カップ(ラバーカップ)
ゴム製の半球状のカップを排水口に当てて使用する吸引カップ。この時、カップの上ぐらいまで水がないと効果を発揮することができません。そのため、水が少ない場合はバケツなどで水を足してから使用します。押し付ける時はゆっくりグッとし、引き上げる時はポンと一気に力を入れ引き上げます。この水が引き上げられる力で詰まりを解消することができるのです。
カップには、様々なサイズがあり排水口に合ったものを選ぶことで、より効果的に詰まりを解消させることが可能です。
真空式パイプクリーナー
吸引カップより高い吸引力と押し上げ圧力がかかり高い効果を得ることができるのが、真空式パイプクリーナーです。吸引カップでは改善できない詰まりでも、真空式パイプクリーナーなら改善可能な場合もあります。太陽プレス工業の製品の場合、4種類のサイズがあり、おすすめは、No81-Aタイプ。直径が110㎜のカップと直径70㎜のカップがあり、取り替えて使用することが可能です。
そのほか、No81-Lは170㎜のカップもおすすめで、水洗トイレにも使用可能なタイプとなります。
使い方は、排水口に合ったサイズのカップを使用し、便器に水が溜まった状態で使用します。カップを排水口にぴったりと当てハンドルをグッと押すと水圧がかかり力を入れ引き上げると水が勢いよく引き上げられます。それによって、詰まりを解消することができます。
ワイヤー式パイプクリーナー
ワイヤーの先にらせん状のヘッドが付いているワイヤー式パイプクリーナー。パイプに沿って侵入させることができ、詰まり部分に到着すると詰まっているゴミなどをヘッドで引っ掛け取り除くことが可能です。ワイヤーの長さは色々あるものの家庭用で使用する場合、2~3mほどで十分です。
排水パイプクリーナーの主な成分と見方
一般的な排水パイプクリーナーの主な成分は次の3つです。
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 水酸化ナトリウム
- 界面活性剤
次亜塩素酸ナトリウムは、強い漂白・殺菌作用のある成分です。タンパク質を分解する効果があるため、排水口に詰まった髪の毛などを溶かしてくれます。
水酸化ナトリウムは、別名「苛性ソーダ」といい、キッチンの油や浴室の皮脂など、油汚れを分解し、排水口の詰まりや臭いを解消します。
排水パイプクリーナーの成分を確認する際は、裏面に記載されている成分表をチェックしましょう。成分表は、多く含まれている成分から順に書かれています。成分名の後ろに(1%)などと表記されているのは、その成分の濃度です。水酸化ナトリウムの場合、高濃度(5%以上)のものは「医薬用外劇物」として扱われます。そのため、薬局やホームセンターなどで購入できる一般的なパイプクリーナーに含まれる、水酸化ナトリウムの濃度は0.5〜3%程度です。
排水パイプ洗浄を自分で行うときの注意点
液体の排水パイプクリーナーを使って排水パイプ洗浄をする際は、次の4つのポイントに注意しましょう。
1. パイプクリーナーの放置時間を守る
一般的な液体の排水パイプクリーナーには、商品裏面の使用方法に排水口に浸す放置時間が表示されています。「浸す時間が長ければ長いほど汚れが落ちる」と考える人もいますが、必要以上に放置時間を長くすると、せっかく溶けた汚れが、排水口奥で再び固まってしまう可能性があります。
放置時間は必ず守って使用しましょう。
2. 酸性のものと一緒に使用しない
液体の排水パイプクリーナーは塩素系漂白剤です。クエン酸などが含まれた酸素系洗剤と一緒に使用すると、洗剤同士の成分が反応して有毒なガスを発生させます。排水パイプクリーナーは必ず単体で使用し、ほかの洗剤やクエン酸、お酢など定番お掃除グッズと混ざらないように注意しましょう。
3. プラスチックなどの固形物はほかの排水パイプ洗浄器具で取り除く
排水口にペットボトルのキャップや歯ブラシなど、固形物が詰まってい場合は、真空式パイプクリーナーやワイヤー式パイプクリーナー、ラバーカップといった洗浄器具と使って取り除きます。液体の排水パイプクリーナーで溶かすことはできません。どうしても取り出せない場合は、専門の業者に相談し、除去してもらいましょう。
排水パイプ洗浄アイテムの選び方
前述のとおり、液体の排水パイプクリーナーの成分表は、多く含まれている成分順に表記されています。
お風呂場の髪の毛を分解したい場合は次亜塩素酸ナトリウム、キッチンの油汚れを分解したい場合は水酸化ナトリウムが先に書かれている商品など、使う場所や目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
また、排水溝詰まりの解消ならば、水酸化ナトリウムも濃度が1%以上の排水パイプクリーナーがおすすめです。ネットショップであれば、濃度3〜4%など、高濃度のり業務用パイプクリーナーが購入可能です。
液体の排水パイプクリーナーには、「液体タイプ」「濃縮液体タイプ」「粘度タイプ」「ジェルタイプ」など、さまざまな種類があります。
洗面所の狭い排水口など詰まりが発生しやすい場所には、排水口にしっかりとまとわりついて汚れに密着する、高粘度タイプの排水パイプクリーナーがおすすめです。