トイレタンクの掃除方法を解説!カビや汚れは開けずに掃除できる?
トイレは毎日使う場所だからこそ、清潔に保ちたいものです。しかし、見落としがちなのがトイレタンクです。タンク内は湿気が高く、カビや汚れが溜まりやすい環境です。カビや水垢が溜まったタンク内の汚れは、便器の黒ずみ・臭いの原因にもなります。さらに、汚れがひどくなると、タンク内の部品を劣化させ、水漏れを引き起こす可能性も。
そこで今回は、トイレタンクの掃除方法について解説します。タンクを開けずに掃除する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
・トイレタンクが汚れる原因
・トイレタンクの掃除方法
・トイレタンクを掃除する際の注意点
目次
トイレタンクの掃除の重要性について
トイレタンク内の汚れは目に見えないため、掃除を怠ってしまいがち。しかし、放置された汚れは様々な問題を引き起こします。
まず、トイレタンク内の汚れは部品を劣化させる可能性があるでしょう。特に、ゴム製の部品は汚れの影響を受けやすく、劣化すると水漏れなどのトラブルを引き起こすリスクもあるのです。
くわえて、トイレタンク内のカビは、健康への悪影響を与える恐れも。カビの胞子を吸い込むと、アレルギーや呼吸器系の病気を引き起こす可能性も考えられます。
さらに、トイレタンク内が汚れていると、当然ですが見た目も不快です。せっかくトイレを掃除しても、タンクが汚れていると清潔感が損なわれてしまいます。
では、そもそもトレイタンクはどうして汚れてしまうのでしょうか。次の項目では、トイレタンクが汚れる原因を解説いたします。
トイレタンクが汚れる原因は?
前の項目でもお伝えしましたが、トイレタンクの汚れは、見た目だけでなく衛生面においても悪影響を及ぼします。この項目では、トイレタンク内に汚れがなぜ発生するのか、その原因を解説。
あらかじめお伝えしておくと、トイレタンクの主な原因は「カビの発生」「水垢の付着」「汚れの蓄積」の3つに大別できます。これらの原因を理解し、適切な対策をとることで、トイレタンクを清潔に保つことが可能です。
カビの発生
トイレタンクは湿気が高く、カビにとって最適な環境です。特に、水温が20~30℃、湿度が70%以上になるとカビが発生しやすくなる環境となります。夏場などは温度も上昇するため、カビが生育しやすい環境といえるでしょう。
カビの発生は、トイレタンク内の水を補充するたびに、空気中のカビ菌がタンク内に入り込み繁殖することで起こります。カビは黒カビや赤カビなど様々な種類があり、それぞれ異なる色や形状でタンク内に発生。
黒カビは、便器の黒ずみ・臭いの原因となるだけでなく、アレルギーや呼吸器系の病気を引き起こすリスクがあるカビとして知られています。さらに赤カビは、ピンク色のぬめりとして現れ、タンク内の部品を劣化させるカビです。
これらのカビは健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、定期的な清掃と換気を心がけるようにしましょう。
水垢の付着
水道水にはミネラル分が含まれており、トイレタンク内の水が蒸発する過程で、それがタンク内に付着して水垢になります。水垢は時間が経つほど固くなり、落としにくくなるのです。
水垢は白く固まった汚れとして現れ、見た目が不快なだけでなく、タンク内の部品を劣化させる可能性があります。
具体的には、水垢がフラッシュバルブやフィルバルブなどの部品に堆積すると、水の流れを妨げることがあるのです。また、水垢が部品に厚く堆積すると、それらの正常な動作を妨げ、最終的には部品の損傷や交換の必要性につながることも。
くわえて、水垢は非常に硬く、一度形成されると除去が困難になります。定期的な清掃と予防措置を怠ると、水垢の除去には強力な化学薬品や専門的な清掃方法が必要になってしまうのです。
水垢の付着は、見た目の問題だけでなく、トイレの機能性にも影響を及ぼすため、適切な予防と対策を講じることが重要といえるでしょう。
汚れの蓄積
便器を流すたびに、便器内の汚水がタンク内に入り込みます。この汚水がタンク内に蓄積し、汚れの原因となるのです。特に、トイレの使用頻度が高い家庭では、汚れが早く蓄積する傾向にあるでしょう。汚れは尿石や便石など様々な種類があり、それぞれ異なる形状でタンク内に蓄積します。
尿石は、黄色の固まった汚れとして現れ、タンク内の部品を劣化させる可能性があります。便石は、茶色や黒色の固まった汚れとして現れ、便器の黒ずみ・臭いの原因となるため注意が必要です。
トイレタンクの掃除方法をご紹介
トイレタンクの放置された汚れは、便器の黒ずみ・臭いの原因となるだけでなく、タンク内の部品を劣化させ、水漏れなどのトラブルを引き起こすリスクがあることはお伝えしました。
この項目では、トイレタンクを清潔に保つための掃除方法をご紹介します。
トイレタンクを開けずにお手軽に掃除する方法と、トイレタンクを開けてしっかり掃除する方法をそれぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
トイレタンクを開けずに掃除する
トイレタンクを開けずに掃除する方法は、日常的なメンテナンスに適しています。
この方法では、市販のトイレタンク用洗浄剤を使用。トイレタンク用洗浄剤は、トイレの水を流すたびに自動的に洗浄液を放出し、タンク内の汚れやカビの発生を防ぐことが可能です。使用方法は簡単で、洗浄剤をトイレの水が流れる部分に取り付けるだけ。
しかし、これらの製品は予防的な措置には有効ですが、既に蓄積された汚れや水垢を除去するには限界があります。そのため、この方法は定期的な清掃と併用するのがおすすめです。
さらに、洗浄剤の成分がタンク内の部品に影響を与えないか確認することも重要となります。自然派を好む場合は、酢を少量トイレの水に加えることで、軽度の汚れや水垢を除去することができるでしょう。
ここから、詳しい手順をお伝えします。
■必要なもの
・トイレタンク用洗浄剤
・ゴム手袋
・スポンジ
■掃除の手順
1.止水栓を閉めて水を止める。
2.手洗い器の排水口にトイレタンク用洗浄剤を設置する。
3.水を流し、洗浄剤をタンク内に循環させる。
4.30分ほど放置する。
5.レバーをを引いて水を流し、汚れを落とす。
トイレタンクを開けずに掃除するメリットは、なんといっても時間も手間もかからず簡単で手軽にできることでしょう。
また、一度洗浄剤を設置してしまえば、洗浄剤がなくなるまで、トレイの水を流すたびに洗浄が可能なところです。この掃除方法は、忙しくてトイレ掃除の時間がなかなかとれない方や、はじめてトレイタンクの掃除をする方などにおすすめ。
デメリットとしては、トイレタンク内の汚れがひどい場合は効果が薄いことと、タンク内の隅々まで掃除できないというところです。
そのため、トイレタンクの汚れがひどい場合は、トイレタンクを開けてしっかり掃除するのがよいでしょう。
次の項目では、トイレタンクを開けて掃除する方法をお伝えします。
トイレタンクを開けて掃除する
トイレタンクを開けて掃除する方法は、より徹底的な清掃を目指す場合に適した方法です。
まず、トイレタンクの蓋を取り外し、タンク内の水を止めるために給水バルブを閉じます。次に、タンク内の水を全て抜き取ります。これが完了したら、水垢除去剤や家庭用のクリーナー(重曹や酢の溶液など)を使用して、タンク内の壁面や部品を丁寧に掃除します。特に水垢がひどい場合は、水垢除去剤を直接塗布し、しばらく放置した後にスポンジやブラシでこすり落としましょう。
掃除が終わったら、給水バルブを開いてタンクに水を満たし、数回水を流して洗剤を洗い流します。この方法は、タンク内の隅々まで清潔にすることができ、悪臭や機能不全の原因となる汚れを効果的に除去することが可能です。ただし、タンク内の部品を損傷しないように注意し、必要に応じてプロの専門業者に依頼することも検討しましょう。
ここから、具体的な手順について再度お伝えします。
■必要なもの
・ゴム手袋
・スポンジ
・ブラシ
・雑巾
・バケツ
・ドライバー
・水垢除去剤
・重曹や酢の溶液など
■掃除の手順
・止水栓を閉めて水を止める
・タンクの蓋を開ける
・浮き球を外す
・タンク内の水をスポンジで吸い出す
・水垢除去剤等を用いてタンク内をブラシで掃除する
・さらに汚れがひどい場合は、クエン酸や重曹でカビや水垢を落とす
・水を流して汚れを洗い流す
・浮き球を取り付ける
・止水栓を開けて水を出す
トイレタンクを開けて掃除するメリットは、汚れを徹底的に落とせる点です。また、掃除の際にタンク内の部品の状態を確認できるので、メンテナンスとしての役割も果たせることもメリットといえるでしょう。
デメリットには、掃除に時間がかかること、タンク内の部品を傷つけるリスクがあることなどが挙げられます。
トイレタンクを掃除する際の注意点
トイレタンクの掃除は、トイレの衛生状態を保つ上で非常に重要ですが、適切な方法で行わないと、タンク内の部品を傷めたり自身の安全を害したりする可能性があります。
そこでこの項目では、トイレタンクを掃除する際の注意点を「タンク内の部品を傷めないようにする」「安全面に配慮して掃除をする」「掃除後は水をしっかり流す」「無理な場合は専門業者に依頼する」という4つの観点から解説します。
これらのポイントを押さえることで、トイレタンクを安全かつ効果的に掃除することができるでしょう。
タンク内の部品を傷めないようにする
トイレタンクを掃除する際には、タンク内の部品を傷めないようにすることが非常に重要です。
トイレタンク内には、水の流れを制御するための様々な部品が設置されています。これらの部品は比較的デリケートで、強い力を加えたり、不適切な掃除用具を使用したりすると簡単に損傷することがあるのです。
トイレタンク内を掃除を始める前には、トイレの水を止めましょう。ほとんどのトイレには、タンクの背後または側面に水を止めるためのシャットオフバルブがあります。このバルブを閉じることで、掃除中の水の流れを防ぎます。
掃除をする際は、硬いブラシや研磨剤が入った洗剤は避け、柔らかいスポンジや布を使用するのがおすすめ。また、部品に直接触れる場合は、優しく扱い、無理に動かさないよう注意しましょう。部品を損傷してしまうと、水漏れや故障の原因となり、修理費用が発生することもあります。
掃除が終わったら、シャットオフバルブを開いて水を戻し、トイレを数回流してみてください。この時、全ての部品が正常に機能しているかを確認し、水漏れがないかもチェックしましょう。
トイレタンク内の部品を傷めないよう意識したいポイントは、以下3点。
・塩素系漂白剤は使用しない
・金属製のブラシは使用しない
・トイレタンク内をこすりすぎない
これらを意識して、トイレタンク内を掃除するようにしてください。
安全面に配慮して掃除をする
トイレタンクの掃除をする際は、電気的な安全面にも注意が必要。特に、タンクの近くに電源がある場合、水と電気の接触による感電のリスクがあります。
掃除を始める前には、必ず電源を切るか、電気製品を使用しないようにしましょう。また、滑りやすい床での転倒事故を防ぐため、足元には十分注意してください。床が濡れて滑りやすくなることがあるので、滑りを防ぐために滑り止めマットを使用するか、濡れた床はすぐに拭き取るようにしましょう。
また、ゴム製の手袋を着用することで、手を保護して滑りにくくすることもできます。手袋を外した後は、必ず手をよく洗い、皮膚に残った洗剤を洗い流しましょう。強力な洗剤を使用する場合は、目に洗剤が入らないように保護メガネを着用することを検討してください。
くわえて、トイレの窓を開けるか、換気扇を使用して、換気を良くしましょう。化学薬品を使用する際に発生する蒸気やガスは、閉じた空間での使用により健康に害を及ぼす可能性があります。
安全面に配慮してトイレタンク内を掃除をするためにも、以下のポイントに気をつけましょう。
・感電に注意する
・水漏れに注意する
・無理な姿勢で掃除しない
・必ず水を止めてから掃除をする
・ゴム手袋を着用する
・化学薬品の混合を避ける
・換気をよくする
・脚立を使う場合は、安定した場所に設置する
掃除後は水をしっかり流す
トイレタンク内を掃除した後は、必ず水を数回しっかりと流してください。これにより、掃除中にタンク内に残った洗剤の残留物や、掃除によって浮き出た汚れを排除することができます。
トイレタンク内で使用された洗剤や清掃剤は、そのままにしておくとタンク内の部品を侵食する可能性があるのです。特に、ゴム製の部品は洗剤によって劣化しやすいため、掃除後はこれらの化学物質を完全に洗い流すことが重要となります。
水を流すことで、タンク内の部品が正常に機能しているかも確認が可能。流水がスムーズでない場合や、異音がする場合は、部品に問題が生じている可能性があるため、再度チェックすることが重要です。
具体的には、掃除後に水を流すことで、フラッパー(排水弁)やフロートバルブなどのタンク内部の部品が正しく機能しているかを確認できるため、掃除中に部品が緩んだり、誤って配置が変わったりしていないかをチェックできます。
水が正常に流れ、タンク内の部品に異常がないかを最終的に確認し、水漏れや部品の不具合がないかをチェックし、必要に応じて調整を行ってください。
具体的には、以下のポイントを意識してください。
・タンク内の水を何度か流す
・タンクの蓋を開けて、水が完全に流れていることを確認する
・洗剤が残らないようにしっかり流す
・水漏れがないか確認する
無理な場合は専門業者に依頼する
トイレタンクの掃除は、一見シンプルな作業のように思えますが、予想外の問題に直面することもあります。特に、部品の損傷や複雑な汚れの場合、専門的な知識や技術が必要になるケースも少なくないでしょう。自分で解決が難しいと感じたら、無理をせずに専門の業者に依頼するのがおすすめです。プロの技術者であれば、効率的かつ安全にトイレタンクを清掃し、問題を解決することができます。
専門業者にトイレタンク内の掃除を依頼するメリットには、安全に掃除ができる、汚れを徹底的に落とせる、部品の劣化を防げるといったものがあります。デメリットは、費用的なコストがかかることです。多少コストがかかっても、安全かつ確実にトイレタンク内を掃除したいという場合は、専門業者への依頼が最適といえます。
とはいえ、自分で掃除するにしても、ホームセンターやドラッグストアなどで、トイレタンク内の掃除道具を購入したりするのに費用はかかります。また、掃除の際にタンク内を誤って破損させてしまえば、掃除するより高額なコストがかかってしまうでしょう。
これらのコスト面を考慮したうえで、業者への依頼を検討することをおすすめします。
トイレタンクの掃除を専門業者に依頼する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
・複数の業者から見積もりを取る
・業者の実績を確認する
・料金をよく確認する
トイレタンクを清潔に保つための対策
トイレタンクの掃除方法についてはお伝えしましたが、大切なのはタンク内を清潔に保つことです。
トイレタンクを清潔に保つための対策として、一般的には「定期的なトイレタンク内の清掃」「カビと水垢の予防」「タンク内の水質の改善」「専門業者による定期的なメンテナンス」の4つが挙げられます。
この項目では、それぞれの対策についての詳細をご紹介。お伝えする内容を参考に、トイレタンク内を清潔に保つようにしましょう。
定期的なトイレタンク内の清掃
トイレタンクを清潔に保つためのもっとも基本的な方法は、定期的な内部清掃です。
最低でも月に一度はタンクの蓋を開け、内部を確認しましょう。汚れやカビが見つかった場合は、非研磨性のクリーナーや家庭用の重曹と酢を混ぜた自然派洗剤を使用して掃除します。柔らかいスポンジや布を使い、タンクの壁面や部品を傷つけないように注意しながら、汚れを優しく拭き取ります。詳しくは、前項目でお伝えしたトイレタンク内の掃除方法を参考にしてください。
この定期的な清掃により、タンク内の衛生状態を維持し、悪臭や機能障害のリスクを減らすことができるでしょう。
カビと水垢の予防
カビと水垢は、トイレタンク内で最も一般的な問題です。これらを予防するためには、適切な湿度管理と水質の管理が必要といえます。
トイレタンク内の湿度を低く保つためには、良好な換気が重要。また、水垢を防ぐためには、タンク内の水を定期的に交換し、市販の水垢防止剤を使用することが効果的です。これらの予防措置により、カビや水垢の発生を大幅に減少させることができます。
タンク内の水質の改善
硬水地域にお住まいの方は、水垢が特に問題になりやすいです。この問題を解決するためには、水質を改善することが必要です。水質を軟化させるフィルターシステムを導入することで、タンク内に水垢が形成されるのを防ぐことができます。また、定期的に水質テストを行い、タンク内の水が適切な状態に保たれているかを確認することも大切です。
専門業者による定期的なメンテナンス
前項目でもすでにお伝えしましたが、自分での清掃やメンテナンスが難しい場合や、タンク内の部品に問題が生じた場合は、専門業者に依頼するのがよいでしょう。
専門業者は、タンク内部の細かい部分まで丁寧に清掃し、必要に応じて部品の交換や修理を行います。これにより、トイレタンクを長期間にわたって最適な状態に保つことができます。
トイレタンクを清潔に保つためには、これらの対策を定期的に実施することが重要です。適切な清掃とメンテナンスにより、トイレの衛生状態を向上させ、快適な生活空間を維持することができます。
まとめ
トイレタンク内の汚れは一見して目立たないため、放置されてしまいがちですが、タンク内に蓄積した汚れは見た目や部品の劣化、衛生面でさまざまな問題を引き起こしてしまいます。まず、トレイタンク内が汚れていると、便器内に流れる水にも影響が出て、見た目が不快になることが挙げられます。また、汚れが蓄積することでトイレタンク内の部品、とくにゴム製品は劣化させてしまうでしょう。くわえて、トイレタンク内で発生したカビは、衛生面でも悪い影響があります。
そのため、トイレタンク内は清潔の保つことが重要です。トイレタンク内は自分で清掃することもできますが、確実にタンク内をきれいにするには、専門業者に依頼するのがおすすめ。
専門業者なら、トイレタンク内の掃除はもちろん、部品の劣化などにも配慮してくれるため、メンテナンスとしての役割も果たしてくれるのです。
「トイレつまり修理センター」では、トイレタンク内の掃除やメンテナンスはもちろん、突然の水詰まりや水漏れといったトラブルなど、さまざまなトイレの問題に対応。
トイレやトイレタンク内の定期的なメンテナンス、異物詰まりや水漏れといった故障など、トイレのお困りごとは、トイレつまり修理センターにご相談ください。