トイレトラブルに火災保険が使える?
急なトイレの水漏れやトイレつまり、すぐに修理して欲しいけれど、その際、気になるのが修理にかかる費用ではないでしょうか。 そんな、トイレの水漏れやつまりなどのトラブルにおいて、火災保険の使用が適応される場合があることをご存知ですか?ただし、火災保険加入者のすべての人に適応されるわけではありません。
また、トイレの水漏れやつまりの状況によっても火災保険が適応されるかが変わってきます。 そこで、今回、どのようなトイレトラブルに火災保険を使用することができるのか、詳しくご紹介させて頂きたいと思います。 今、トイレトラブルが発生し困っている人だけではなく、今は特に問題なくトイレを使用することができている人も万が一の際に備え確認して頂けたらと思います。
目次
火災保険は多くの人が契約している保険
「火災保険に加入していますか?」と聞かれ、「加入しています。」と答えることができる人は多いのではないでしょうか。実際、火災保険はマイホームの人でも賃貸の人でもほとんどの人が加入している保険となります。 主に火災・落雷・破裂、爆発・風、雷、雷災・水濡れ・衝突・騒擾・水災・諸費用等に使用することができる火災保険。 しかし、「火災保険の補償内容はわかりますか?」と聞かれたら、その内容まで詳しく覚えている人は少ないのではないでしょうか。近年、各家庭で必要だと思われる補償内容で火災保険の契約を行うことが可能になっています。ただし、保険会社の人にすすめられたまま契約したため、詳しい内容までは把握していないという人も少なくありません。 そのため、せっかくお金を払い加入している火災保険をうまく活用しきれていない人が多いのが現状です。そして、その中に今回、ご紹介するトイレトラブルが含まれます。 火災保険という名前もあり、火災が発生した時しか使用することができないと思っている人も多いようです。しかし、実際のところは、火災に限らず風災や水害などでも利用することが可能です。例えば、台風で窓が割れた場合やフェンスが倒れた場合でも火災保険を使用することができる場合があります。 また、大雨や大雪によって樋が壊れた場合も火災保険で修理することが可能です。 そのほか、天候被害だけではなく日常の被害においても火災保険が適応される場合もあります。その一つが水漏れです。水漏れによって建物に被害が生じた場合や家財道具に被害が生じた場合なども火災保険を使用することができる場合があります。 この、“場合がある”という点に注意が必要です。 火災保険の場合、水漏れにも対応可能ということは、トイレの水漏れ修理の費用にも対応可能なように思えますが、それは間違いです。残念ながら、水漏れ修理自体には火災保険は適応外となってしまうのです。 「水漏れ修理に対応が可能なのにトイレの水漏れには対応不可なんて、おかしいのでは?」と思われるかもしれませんが、そこには少し注意が必要だということなのです。 火災保険で水漏れ修理が可能になるのは、“水濡れによって起こった損害を火災保険が補償する”ということなのです。トイレの水漏れ修理自体は補償してもらうことはできませんが、水漏れによって生じた損害は補償してもらうことができるのです。 少し、ややこしいトイレの水漏れに関する火災保険の適応。そこで、より詳しくご説明させて頂きたいと思います。
まずは、自身の火災保険の内容確認を!
火災保険は各保険会社から販売されており、その内容も様々です。そのため、例え同じ保険会社の火災保険に加入していたとしても火災保険で適応される補償内容は異なります。基本的に火災保険に加入しているか不安な人でも、ほぼ、加入しているといって過言ではありませんが、内容は様々だということを忘れてはいけません。 そのため、時間がある時にでも自分が加入している補償内容を確認されることをおすすめします。
火災保険の確認方法
「火災保険に加入しているはずだけど…。」と自信がない場合は、必ず確認しておくことをおすすめします。火災保険の場合、保険期間が設定さえているため、もしかしたら期限切れているかもしれません。更新を忘れている場合は大変です。 そんな、火災保険の加入有無の確認したい場合、一番は自宅にある保険証書を探し確認する方法ですが、加入の有無がわからない人の場合、保険証書の有無もわからない人が多いと思われます。そんな時は、
マイホームの場合:住宅ローンを組んでいる金融機関やハウスメーカーで確認
賃貸の場合:不動産会社で確認
することが可能です。 これらの場所には、火災保険の保険証券の写しが保管されていることが多くなります。そのため、問い合わせすることで、すぐに火災保険の加入有無を確認することが可能です。 加入している保険会社がわかれば、その後、保険証券の再発行手続きなどを行うとより安心です。
補償内容の確認
火災保険に加入していることがわかれば、次に補償内容の確認が必要です。火災保険を活用するためには、ただ火災保険に加入しておけば良いというわけではなく、その内容まで知っておくことが大切だからです。 保険証券が自宅にある場合は、保険証券で補償内容の確認を行います。保険証券には、契約者名や建物情報、保険料以外に補償内容、問い合わせ先など契約にかかわる基本的なことが記載されています。 もし、保険証券がなくても焦らないでください。保険会社のコールセンターや保険外交員の人に電話で問い合わせをし、保険証券の再発行や補償内容の確認を行うことは可能です。 また、この中でトイレの水漏れが保険の対象か確認する方法は、“水漏れ”の付帯があるか、ないかという点です。基本的には、水漏れを付帯している場合は、トイレの水漏れに対しても対象となりますが、保険会社によって細かな条件を設定している場合もあるため、注意が必要です。そのため、必ずトイレの水漏れに対する対象の有無を直接、確認されることをおすすめします。
賃貸の集合住宅の場合
賃貸の集合住宅の場合、個人での火災保険加入ではなく、管理会社の方で火災保険に加入している場合があります。そのため、賃貸の集合住宅に住んでいる場合、個人で火災保険に加入していないからといって焦らず、まずは、管理会社で確認されることをおすすめします。 火災保険の加入を確認することができれば、補償内容を確認されることをおすすめします。 賃貸の場合は、トイレの水漏れに限らず、何かトラブルが発生したら、まず、管理会社に問い合わせすることをおすすめします。
トイレのつまりで火災保険は適応されるか?
はじめにお話ししたようにトイレの水漏れの場合、補償内容によっては、火災保険を使用し修理費用を負担してもらうことが可能な場合があります。 「それなら、トイレのつまりも火災保険で修理することができるのでは?」と思われるかもしれませんが、残念ながら、火災保険でトイレのつまりを補償することはできません。 ただし、トイレのつまりが原因で水漏れが発生した場合は、トイレの水漏れ同様、火災保険が適応される場合があります。トイレのつまりが原因で大量の水が外に溢れ出した場合、トイレの床や壁紙などにも被害が出てしまいます。このような場合は、火災保険が適応される場合があるため、必ず確認されることをおすすめします。ともあれまずはトイレをつまらせないことを常日頃から気をつけることが大切です。
トイレがつまる原因
トイレがつまる原因は主に以下のような場合が考えられます。
流せるものでも大量に流すとつまる原因に
トイレットペーパーや流せるトイレシート、流せるお掃除シートなどでも、一度に大量に流すことでトイレつまりの原因になります。特に海外製品のトイレットペーパーやお掃除シートなどの場合、粗悪品が多く水に溶けにくいものも少なくありません。そのことを知らずに大量に流してしまうことで、一気にトイレがつまってしまう場合があります。
ティッシュペーパー
ティッシュペーパーは、水に溶けません。そのことを知らずに流してしまうとトイレはつまってしまいます。
おしりふきも要注意!
赤ちゃんに使用することが多いおしりふきも水に流せるものとそうでないものがあります。そのため、トイレに流して使用したい場合は必ず水に流せるタイプのおしりふきを選ぶ必要があります。 また、この場合でも大量に流してしまうと流せるタイプのおしりふきシートでもつまってしまう可能性があります。
生理用ナプキン、おむつ、ペットシートなど
これらの場合、水に溶けないだけではなく、水を吸収し排水口を塞いでしまう可能性が非常に高くなります。 そのため、ほんの少しでも流してしまうとトイレつまりの原因になります。
猫用などのペットのトイレの砂
ペットのトイレ用の砂もトイレに流すことができるものが販売されています。そのため、トイレに流しても特に問題がないように思えますが、場合によってはトイレつまりの原因になってしまうことがあります。 例えば、トイレタンクを節水仕様にしている場合や多くの猫を飼い排せつ物が多い場合などは上手く流すことができない場合もあります。また、トイレの配管などにこびりつくことも多いため注意が必要です。
ポケットに入っているものなども要注意!
ちょっとした不注意でトイレの中に物を落としてしまうこともトイレつまりの原因になる場合があります。ポケットに入ったハンカチやポケットティッシュ。この場合、落としたことに気付かず、そのまま、流してしまう場合も少なくありません。 そのほか、スマホがポケットからトイレの中に落ちてしまうこともあります。また、背中に貼ったカイロがトイレの中に落ちてしまう場合もあります。 これらが原因でトイレつまりが発生することも少なくありません。
子供のいたずら
子供のいたずらでもトイレつまりが発生してしまいます。子供がトイレットペーパーを大量に流してしまう場合やおもちゃなどを流してしまう場合も多く、知らないうちにトイレがつまっているということも少なくありません。
このようなことから、絶対にトイレットペーパー以外のものはトイレに流さないこと! また、例え、流すことができるものであっても大量に流さないこと! そして、余計なものはトイレに持ち込まず、可能な限りトイレに物を落とさないようにすることが大切です。
火災保険に加入していても保険適応外になる時は、どんな時?
火災保険に加入していても残念ながら、保険適用外になってしまう場合があります。 その例を一部、ご紹介させて頂きます。
水漏れの原因が故意の場合
トイレを通常使用していた場合、特に気にする必要はありませんが、改造などによって水漏れさせた場合は保険適用外になる場合があります。そのため、注意が必要です。 DIYが流行り、トイレも自身でDIYを行う人が増えてきていますが、それが原因で水漏れが発生した場合、故意とみなされ火災保険を使用することができなくなってしまいます。改造などトイレ本体の作業中に水漏れが発生した場合は注意が必要です。そのため、トイレ本体においてはプロにお願いすると安心です。 ただし、加入している火災保険によって補償内容は異なるため、DIYでのトイレ改造を行う場合は、事前に確認しおくと安心です。
経年劣化による場合
毎日使用するトイレ。そのため、経年劣化は避けることができません。そんな、経年劣化による水漏れの場合も火災保険の適応外になる場合があります。 トイレの経年劣化の場合、パッキンの劣化が多く、古くなったパッキンを放置した結果、水漏れが発生することは少なくありません。 ただし、このような経年劣化のよる水漏れの場合、素人が経年劣化によるものか、そうでないかを確認することは難しいかと思います。そのため、必ず保険会社に連絡し、必要であれば現場調査を依頼することをおすすめします。 修理を行う際は、まず初めに保険会社に連絡し、その後、修理を進めることで、補償内の修理か、そうでないか確認し修理を行うことが可能です。
トイレの水漏れによってパイプやウォシュレットなどの部品が壊れた場合
火災保険において、壁紙や床は建物の一部として取り扱われます。その一方、パイプやウォシュレットなどの部品、トイレの便器などの場合は、建物の一部ではなく家財扱いになる場合がほとんどです。そのため、火災保険に家財の補償を付帯していない場合、保険適応外となります。高価なものも多いウォシュレット…。そんな、ウォシュレットの補償を希望する場合は、家財の付帯を行っておくことをおすすめします。 反対に“水濡れで補償されるのが家財だけ”といった火災保険の内容になっている場合、水漏れで被害が出た壁紙や床は補償されません。
天災によるトイレの水漏れの場合
近年、多発している集中豪雨による洪水や下水処理の異常によって、トイレの逆流被害や水漏れの発生が多くなっています。このような場合でも、火災保険が適応されるのかというと、この場合、水漏れ扱いではなく自然災害で発生した水害はすべて水災扱いとなり、水災の補償範囲となります。 そのため、水漏れ補償を付帯していても、水災補償がなければ保険を使用することはできなくなってしまいます。 近年の水災被害の件数を考えると、一度確認しておくと安心かと思います。
まとめ
一般的なトイレの水漏れによる損害の補償を受けることができるのは、火災保険で“水漏れ”を付帯している場合のみということになります。 一方、水害が原因で起きたトイレの水漏れの場合は、“水災”補償となり、水災補償が付帯されていない場合、保険を使用することはできません。 この”水漏れ”と“水災”補償との違いが、トイレの修理には大きくかかわってきます。そのため、事前に”水漏れ”と”水災“補償が付帯されているかチェックしておくことが大切です。 賃貸物件の窓ガラスが割れた際の注意事項です。ガラスが割れた後、ガラスの片付けを行い、安全確保を行ったうえでガラスが割れた原因を考え行動することが大切です。
以下は、大切なポイントをまとめたものとなります。
- トイレの水漏れは、火災保険で補償可能(ただし、水漏れを付帯している場合)
- 一般的に補償されるのは、トイレ本体やパイプ、ウォシュレットなどではなく、被害を受けた壁紙や床といった建物だということ。
- 補償範囲や補償内容は各保険会社で異なるため、確認が必要だということ。
- 火災保険の補償内容を確認する方法は、保険証券を確認すること。
- 保険証券が見当たらない場合は、電話で問い合わせすることも可能。
- 賃貸に住んでいる場合は、管理会社に連絡すること。
- すべて、火災保険で補償されるということではなく、補償されないケースもあるため、必ず確認すること。
そして、なにより大切なのが、保険金を請求する場合、ほとんどの保険会社で現地調査が必要になります。そのため、トイレの水漏れ修理が必要な場合は、保険会社に電話で確認するほか、火災保険に詳しい信頼できる水道修理業者に相談する必要があります。 間違っても、勝手に修理を行うことは避けた方が無難です。補償範囲内であっても補償されない場合があります。