トイレタンクの水漏れはオーバーフロー管の故障が原因?交換方法や費用をご紹介
オーバーフロー管が折れる、もしくはひび割れがあると、水が漏れて止まらなくなったり、タンクに水がたまらなくなったりしてしまいます。
レバーに触っていないのにトイレの水が流れっぱなしになる、タンクから水があふれ出てくる、もしくは水がたまらない…。このようなトイレの水漏れトラブルが起こってしまう原因は、オーバーフロー管の破損によるものかもしれません。
ですが、オーバーフロー管と聞いても、具体的にどの部品を指すのか、故障した際はどのように対応すればよいか、知らない方も少なくないでしょう。
今回は、オーバーフロー管とはどのような部品なのか、故障による水漏れにはどのような処置をおこなえばよいかなどを総括的に解説。
故障する原因や対処法、オーバーフロー管を交換する方法にくわえ、費用感についてもご紹介します。
突然トイレが水漏れしてしまったという際に、慌てず対処できるよう応急処置についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
トイレタンクから水があふれる!主な原因はオーバーフロー管の故障
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トイレタンクから水があふれてしまうという場合は、オーバーフロー管が故障しているのかもしれません。そもそもオーバーフロー管とは、どのような部品で、どのような役目を担っているのでしょう。
この項目では、オーバーフロー管の役割や、壊れるとどのような状態になるかを解説します。
オーバーフロー管とは?
オーバーフロー管とは、トイレタンクの奥にある細長い筒のような形状の部品です。
「オーバーフロー」は「あふれ出す」という意味。「溢水管(いっすいかん)」、もしくは、「あふれ管」という呼び方もされます。
オーバーフロー管には、水位を示すWL(ウォーターライン)が記されており、トイレタンク内にある水が標準水位を超えてしまわないようにする役割のため、そのような呼び名がついているのです。
一般的に、オーバーフロー管の先端から2~3cm程度下にあたる位置が、標準水位の目安となります。
オーバーフロー管の役割について
お伝えしたように、オーバーフロー管は、トイレタンクから水があふれないようにする役割。
では、トイレの水が流れるシステムに従って、具体的にどのような機能を果たすのかお伝えします。
【トイレの水が流れるシステム】
- トイレのレバーを回すと、レバーに繋がっている「フロートバルブ」というパーツが持ち上がることで、タンクから便器に水が流れます。
- 再びレバーが元の位置に戻ると、フロートバルブが排水を塞ぎ、流れていた水が止められます
- タンク内に水がたまり「浮き玉」が沈むことで、水道管に繋がれているボールタップのフタが開いて新たな水が流れ込みます。
- タンク内に水がたまり、水位が上昇すると、浮き球が定位置に戻ることでボールタップのフタが閉まり水も止まります。
このように、トイレの水を流す機能が正常に働いている状態であれば、オーバーフロー管は稼働しません。
ですが、浮き球やボールアップなどが破損してしまい、タンク内の水位の調整が上手くいかないと、タンク内の水位が標準値を超えて上昇。
そのまま、水位がオーバーフロー管の先端を超えてしまった場合に、過剰に給水された水がオーバーフロー管から排出されるという仕組みとなっています。
オーバーフロー管が壊れてしまうと、標準水位を超える過剰な水が排出されずに、水漏れが起こってしまうというわけです。
オーバーフロー管が折れたらどうなる?
オーバーフロー管が傷ついたり折れたりして、故障してしまった場合、トレイはどのような状態になるのでしょうか。
前述したように、トイレタンクの水位を測り過剰な水を排出するのが、オーバーフロー管の役目です。
そのため、オーバーフロー管が壊れてしまうと、トレイのレバーを回しても水が流れない、もしくは、レバーを回していないのに水が流れ続けるなどして、タンクから水があふれ出してしまいます。
そのまま放っておくと、あふれた水でトイレの床が水浸しになってしまったり、用を足した後にレバーを回しても水が流れなかったりといった事態に…。
そうなれば、トイレは使えませんし、床が傷んでしまうことにもなりかねません。また、トイレの水が流れっぱなしになれば、水道代も余分にかかってしまいます。
このように、故障したオーバーフロー管をそのままにしていると、さまざまな弊害が生じるため、すぐに修理することが大切なのです。
オーバーフロー管はサイフォン管は別物?
オーバーフロー管のほかにも、トイレタンクのなかにある筒状の部品を、「サイフォン管」と呼ぶことがあります。
基本的にはオーバーフロー管と同じ部品のことを指していることがほとんどであり、呼び方が違うというだけで、大きな違いはありません。
ですが一般的には、トイレの部品であるフロートバルブとオーバーフロー管が一体化したものをサイフォン管と呼ぶようです。
部品の役割に大きな違いはないものの、性質が少し異なるケースもあるので、自宅のトイレがオーバーフロー型なのかサイフォン型なのかチェックしておくのがよいでしょう。
型を把握しておけば、故障した際に必要な部品や修理方法などがすぐに調べられるので便利ですよ。
オーバーフロー管が故障する原因について
トイレの水漏れの原因となるオーバーフロー管の故障は、どのようなことが原因で起こるのでしょうか。
こちらでは、オーバーフロー管が故障する原因として挙げられる、以下4つの原因についてお伝えします。
- 経年劣化による故障
- 部品交換時の衝撃による故障
- 掃除の際に誤って壊してしまう
- 節約のためのペットボトルが原因の故障
それぞれ詳しく解説しますので、思わぬ原因でオーバーフロー管を故障させてしまわないよう、参考にしてください。
経年劣化による故障
ほとんどのオーバーフロー管は、プラスチック素材でできています。
プラスチックの強度や持ちはそれほどよいわけではないため、年月が経過すると経年劣化によりひび割れてしまったり、折れてしまったりすることもあるのです。
また、オーバーフロー管は常に水につかっている状態のため、トレイを構成する部品のなかでも、とくに劣化しやすいパーツだといえます。
経年劣化しやすく消耗品の側面を持つオーバーフロー管は、定期的にチェックをおこなうとともに、部品交換をおこなうのがよいでしょう。
部品交換時の衝撃による故障
トイレタンクのなかには、オーバーフロー管をはじめ、フロートバルブや浮き球、ボールタップなどさまざまな部品が存在します。
経年劣化やなんらかの理由で部品が壊れてしまった場合、交換が必要となるでしょう。
しかし、部品交換の際に誤ってオーバーフロー管に衝撃を与え、気が付かないうちに破損させてしまうということがあります。
トイレタンク内の部品のなかには、手軽に交換がおこなえるものもありますが、とくに自分で作業をおこなう際は、じゅうぶんに注意してください。
掃除の際に誤って壊してしまう
オーバーフロー管を破損させてしまう原因として、掃除の際にぶつけて壊してしまうというものがあります。
お伝えしたように、オーバーフロー管はプラスチックでできており、それほど強度もありません。そのため、狭いトイレタンク内を掃除する際に、思わず手が当たってしまい破損させてしまうことがあるのです。
トイレタンク内を掃除する場合は、手や掃除用具がオーバーフロー管に接触してしまわないよう気を付けましょう。
節約のためのペットボトルが原因の故障
原因として意外と多いのが、トイレタンクにペットボトルをいれたことによる故障です。
節約を心がけているご家庭によっては、ペットボトルをトイレタンク内に入れて節水をしているケースが見受けられます。
一見賢い節約術に思われがちですが、給水や排水により水位が変動した際、投入したペットボトルがタンク内のオーバーフロー管に接触して壊してしまう、ということがあるのです。
節約目的でペットボトルを入れたはずが、オーバーフロー管の修理代を支払うはめになり、かえって高額の出費になったなんてことにもなりかねません。
それでもペットボトルで節水を試みたい場合は、ペットボトルを固定して置き、タンク内の部品を破損させないようにするなど工夫してみてくださいね。
トイレタンクの水があふれてしまった場合の対処法
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オーバーフロー管が壊れて水があふれてしまった場合、流れ出る水をそのままにしておけば、トイレだけでなく廊下まで水浸しになってしまいます。
そのような事態にならないためにも、応急処置的な対処が必要です。
便器やタンクからの水が止まらない場合、まず第一におこなうべきことは、止水栓を閉めること。止水栓を閉めてしまえばトイレへの給水が止まるので、水が流れ出る状態を食い止められます。
止水栓の閉め方は、ご家庭にあるマイナスドライバー、もしくは硬貨を止水栓のへこみにあて右方向に回すだけ。止水栓が蛇口のような形をしているタイプの場合は、ハンドルを手で右に回してください。
万が一止水栓が見つけられないという場合でも、慌てる必要はありません。そんなときは、水道の元栓を閉めることで水を止めることが可能です。
ですが、止水栓で水を止めるというのはあくまで一時しのぎの方法となります。
根本的な解決をはかりたい場合は、すみやかにオーバーフロー管の交換をおこないましょう。
オーバーフロー管の交換は、自分でおこなうこともできますが、専門の業者に依頼して修理してもらうことも可能です。
どちらの交換方法にも、メリットやデメリットとなる部分が存在しますので、それぞれの手順やコスト面を考慮したうえで対処法を選ぶとよいでしょう。
オーバーフロー管の交換方法は?
オーバーフロー管の交換は、普段からDIYをしている方であれば自分でおこなうこともできるでしょう。
ですが、作業に慣れていない方はかえって事態を悪化させてしまうこともあるため、プロの専門業者へ依頼するのがおすすめです。
この項目では、自分で交換する方法と業者に依頼する方法について解説します。
自分で交換する
自分でオーバーフロー管の交換を実施する場合、どのような手順で作業を行えばよいかをお伝えします。
まず、オーバーフロー管の交換に必要な道具を準備しましょう。主に、以下4つの道具があれば対応可能です。
- 交換用の新たなオーバーフロー管
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤー
- 雑巾
以上の道具が揃ったら、以下の手順でオーバーフロー管の交換をおこなってください。
【オーバーフロー管の交換手順】
- 作業の妨げにならないように、止水栓を閉めて水を止めます。
止水栓を閉める方法は、前項でご説明したとおりです。マイナスドライバーや硬貨をへこみに当て込んで右に回す、もしくはハンドルタイプなら手で右に回しましょう。 - トイレタンクのフタを外して、作業の邪魔にならない場所に置きます。
トイレのフタは陶器でできているものが多く重量があるので、落とさないように気を付けてください。 - トイレタンク内の水を排出してしまう。
タンク内で作業をおこなうため、内部に水がない状態を作る必要があります。レバーを回し、なかにある水をすべて流し出してください。 - モンキーレンチを使い、タンク内の給水管を外します。さらにモンキーレンチで、トイレタンクの裏にあるナットも外しましょう。
この際、タンク内に使って残っている水は雑巾で拭き取り、水がない状態を作ります。 - ナットを取り外したら、トイレタンクを取り外します。
タンクはフタよりさらに重量があるので、両手でしっかり掴み、慎重に取り外してください。取り外したタンクは、床へ寝かせる形で置きましょう。 - トイレタンクの底に、装着されたままの状態のオーバーフロー管が見えるので、ウォーターポンププライヤーで根元部分をはさみ、回しながら取り外してください。
- 交換用に新しいオーバーフロー管をタンクの底に差し込み、ウォーターポンププライヤーで回しながら取り付けます。
- オーバーフロー管の取り付けが完了したら、タンクと給水管をもとの位置に戻しナットで締めます。
この時、レバーやフロートバルブを繋ぐチェーンを調整しながらレバーを回して、正常に作動するか確認しておきましょう。 - 止水栓を開け、トイレのレバーを回し問題なく水が流れれば完了です。
最後に、取り外していたフタを元に戻しましょう。
このように、オーバーフロー管の交換は自分でもおこなうことが可能です。
普段からトイレタンクを掃除する際に、オーバーフロー管の位置などを把握しておくと、いざというとき迅速に対応できますよ。
ただ、交換用の新たなオーバーフロー管やウォーターポンププライヤーは、常備していないご家庭も少なくないでしょう。
普段からの備えとして、お近くのホームセンターや通販で道具を購入しておくことをおすすめします。
専門業者に依頼する
オーバーフロー管の交換方法として、もっとも手軽かつ確実な方法が、専門の業者に依頼して対処してもらう方法です。
前項でオーバーフロー管の交換手順をお伝えしましたが、作業工程が多いうえに道具も必要。
予期せぬタイミングでトイレが水漏れしてしまった場合、道具を用意するのも一苦労ですし、作業に慣れていない方が対処するのは難しいかもしれません。
専門業者に依頼すれば、作業に慣れたプロが迅速に対応してくれますし、部品や道具を自分で用意する必要がないので便利です。
オーバーフロー管を交換する費用はいくら?
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いざオーバーフロー管を交換するとなった際、費用感についても気になります。
そこで、オーバーフロー管の交換費用について、自分で交換する場合と専門業者へ依頼した場合、どれくらいになるのか調べてみました。
まず、自分でオーバーフロー管の交換をおこなう場合の費用についてです。
前項でもお伝えしたように、オーバーフロー管の交換には、交換用のオーバーフロー管、モンキーレンチ、ウォーターポンププライヤー、雑巾などを使います。
雑巾は一般的なご家庭に常備してあるので、わざわざ購入する必要はないでしょう。その他の工具についても、すでに持っていれば費用はかかりませんが、持っていないのであれば調達しなければなりません。
とくに、交換用のオーバーフロー管を準備している方はほとんどいないため、購入が必須といえます。
オーバーフロー管の値段は、5,000~8,000円ほど。モンキーレンチやウォーターポンププライヤーは、ホームセンターや通販で2,000~3,000円程度で購入可能です。
すべての道具をそろえるのに、おおよそ10,000円前後の金額がかかると考えておくのがよいでしょう。
一方、専門業者に依頼する場合の費用は、相場価格で15,000~28,000円ほどといわれています。
オーバーフロー管のみ購入して自分で交換するよりも高額にはなりますが、道具を準備しなくてもよい点や、スピーディーかつ確実に対応してくれる点は、大きなメリットといえるでしょう。
とはいえ、お伝えした価格はあくまで相場であるため、実際業者に依頼する際は、事前に費用について問い合わせたり、見積もりを取ったりすることをおすすめします。
複数の業者で見積もりをおこない、検討してみるのもよいですよ。
まとめ
今回は、トイレの水漏れやタンクに水がたまらなくなる原因になりがちな、オーバーフロー管の故障についてお伝えしました。
オーバーフロー管は、トイレの水位を調整するための部品です。トイレタンク内の水位を標準に保つことで、水漏れを防ぎます。
ただ、オーバーフロー管のほとんどはプラスチック素材でできていることが多く、強度がなく傷みやすい部品。経年劣化や掃除など、ふとしたきっかけで壊れてしまうこともあります。突然トイレの水があふれた場合は、オーバーフロー管が破損していないかチェックしてみてください。
また、オーバーフロー管が故障してしまった場合は、慌てず止水栓の閉めて応急処置をおこない、自分でオーバーフロー管を交換するか、専門の業者に依頼して対処してもらいましょう。
とはいえ、オーバーフロー管を交換する機会はそれほど多くないため、いざという時、どこの業者へ依頼していいかわからないという方も少なくありません。
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