トイレ排水管の尿石やヘドロつまりに効果的なサンポールの活用方法
トイレがつまってしまったときやトイレの水の流れが悪いときには、薬剤を使った対処を試しましょう。つまり除去効果が高いといわれるのが、トイレ洗剤の中でも特に有名なサンポールです。
サンポールにはトイレの排水管にこびりついた尿石やヘドロつまりを落とす働きがあります。今回はサンポールの効果や、サンポールを使ったつまり解消のテクニックをご紹介いたします。
目次
トイレつまりの解消にはサンポールが有効!
酸性洗剤を使えば、トイレの黄ばみや尿石汚れを除去し、アンモニア臭を抑えることができます。しかし現在販売されているトイレ洗剤の多くは中性か塩素系で、酸性のトイレ洗剤は意外と少ないのです。
酸性洗剤を使ったトイレ掃除にはサンポールがおすすめです。
サンポールの特徴
サンポールは、大日本除虫菊株式会社(金鳥)が販売するトイレ用洗剤です。サンポールには9.5%の塩酸をはじめとした、多くの有効成分が含まれています。
スーパーやドラッグストア、ホームセンターではさまざまなトイレ用洗剤が手に入ります。その中でも昔から人気を集めているのが、ボトルの濃い緑色が特徴的なサンポールなのです。
サンポールは1960年に初めて販売され、以後60年にわたって多くの人に愛用されています。
トイレを使い続けると、尿に含まれるカルシウムイオンが便器に付着し、尿石となって沈積してしまいます。尿石は便器内だけでなくトイレの配管にもどんどん蓄積されていきます。
古いトイレには硬くこびりついた尿石の汚れが付着していることがあります。尿石が固形化してしまうと水洗いや中性洗剤による掃除ではなかなか落とすことができません。
また、配管部分に尿石がこびりつくとトイレの水の流れが悪くなってしまいます。こびりついた尿石に汚物やトイレットペーパーが引っかかると、ヘドロ化してトイレのつまりがおきてしまうこともあるのです。
トイレの尿石汚れやヘドロ汚れはサンポールで分解、除去できます。尿石やヘドロ汚れを放置しているとトイレに深刻なトラブルが起きる可能性もあるので、水流れにくいなどの気になる症状があるときには早めに対処しておきましょう。
サンポールの使用で排水管の尿石を落とせるメカニズム
酸性洗剤には、尿石を溶かしトイレの便器にこびりついた汚れを除去する効果があります。また、トイレ特有のアンモニア臭に効果を発揮するのも、酸性洗剤の大きな特徴です。
トイレにこびりつく尿石の主な成分はカルシウムです。カルシウムにはアルカリ性の性質があるので、同じアルカリ性の洗剤や中性洗剤では十分に除去することができません。
しかし、アルカリ性の尿石に酸性洗剤のサンポールをかければ、分解の反応が起こって汚れがどんどん落ちていきます。
また、トイレのアンモニア臭もアルカリ性なので、尿石と同じようにサンポールが効果を発揮します。サンポールを使ってトイレ掃除をすれば、尿石汚れを除去できるだけでなく、気になるアンモニア臭も抑えられるのです。
トイレつまり・排水管尿石解消のためのサンポール活用法
サンポールの主な用途は黄ばみ落としや汚れ除去、臭い除去のための掃除です。サンポールを使って掃除をすればトイレが清潔になるだけでなく、尿石の付着を防ぐこともできます。
さらにサンポールは、排水管にこびりついたヘドロ汚れの洗浄や、付着してしまった尿石の除去にも活用できます。
ここからは、サンポールの具体的な使い方について見ていきましょう。
1. 普段の掃除によってトイレつまりを防止できる
サンポールは普段のトイレ掃除に使えます。
特に、トイレのフチ裏の汚れや全体的な黄ばみ、水面に蓄積する汚れ、配管にまとわりつくヘドロ汚れは、放置しているとどんどん広がってしまうので早めに対処したいものです。
トイレ掃除をするときには気になる部分にサンポールを回しかけて、数分放置しましょう。その後、汚れが落ちていなければブラシでこするようにします。あとはトイレを普段どおりに流すだけで、黄ばみ汚れやヘドロ汚れを綺麗に除去できます。
サンポールを使った掃除をこまめにおこなっていれば、トイレの便器や配管の尿石汚れも落ちやすくなります。尿石の付着やヘドロによるトイレつまりの防止のためにも、定期的にサンポールで掃除をしておきましょう。
2. トイレにつまりが起きているときの対処法
トイレの水が流れにくいなどの症状があるときには、つまりを除去する掃除を行いましょう。
便器に水が溜まっているとサンポールが薄まってしまい掃除の効果が薄れてしまいます。まずはトイレの水を給水ポンプなどで抜いていきましょう。
続いて、便器内でも特に汚れがひどい場所に、サンポールの原液を回しかけます。トイレのつまりが気になるのであれば、50~100ml程度を流し込むとよいでしょう。
目に見える場所に尿石がこびりついているときには、ブラシを使って綺麗に磨いておきましょう。
その後、30分程度放置すれば、汚れが浮き上がって落ちやすくなります。十分に時間をかけて汚れを浮かせたあとには、バケツを使ってトイレに水を流していきましょう。薬剤が飛び散ると危険なので、加減をしながらゆっくり水を流すのがポイントです。
汚れがなかなか落ちないときやつまりが解消しないときには、同じように繰り返し掃除をしてみましょう。
サンポールを使って掃除をしてもトイレつまりが解消しない場合には、別の要因でトイレつまりが起きている可能性が考えられます。こういったときには、専門業者に相談してトイレの修理をしてもらうとよいでしょう。
トイレつまりの解消にサンポールを使用する際の注意点
サンポールはトイレのつまり解消に高い効果をもたらす便利なアイテムです。しかし一方で、強力な洗剤だからこそ起こりがちなトラブルもあるものです。
もちろん、正しい方法でサンポールを使えば問題が起きることはありません。ここからは、サンポールを使うときに気をつけたいポイントをチェックしていきましょう。
1. サンポールに混ぜてはいけない洗剤がある
酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜてはいけないことは、多くの方が知っていることだと思います。
トイレ洗剤にはほかの薬剤と混ぜても問題が起きにくい中性洗剤のほか、酸性洗剤、塩素系洗剤、漂白剤などがあります。
サンポールは強い酸性を示す洗浄剤です。酸性のサンポールに塩素系のトイレ洗剤や漂白剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生してしまいます。
この塩素ガスを人が吸い込むと頭痛や強い吐き気といった症状が起こります。場合によっては失神したり、呼吸困難に陥ったりすることもあります。実際に、酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜたことが原因で死に至るケースもあるので十分な注意が必要です。
なお、一般的に酸性洗剤と塩素系洗剤、漂白剤には、パッケージに「まぜるな危険」と印字されています。
トイレ掃除をするときには、より汚れが落ちるのではと複数の洗剤を使いたくなることもあるかもしれません。しかし、「まぜるな危険」の表示がある洗剤を同時に使って掃除をするのは絶対にやめましょう。
2. 定められた用法や容量を守って使う
サンポールでトイレのつまり除去や掃除をするときにはつけ置きが効果的です。ただし、サンポールをつけたままのトイレを長時間放置すると、便器の変質が起きるおそれがあります。
サンポールの適切なつけ置き時間は、ちょっとした汚れであれば数分間、つまり解消を目的とするのであれば30分程度です。サンポールを便器につけたあとには忘れずに掃除を行い、十分な水で洗い流しておきましょう。
また、トイレの配管など金属部分にサンポールが付着すると金属の腐敗やサビが起きてしまいます。金属部品にサンポールがかからないよう、十分気をつけましょう。
3. 皮膚への薬剤付着を防ぐことも大切なポイント
サンポールは高い効果をもつ洗剤であるため、皮膚に付着すると腫れやただれなどの症状が起きることがあります。
また、サンポールを使ってトイレの掃除をしているときに薬剤が飛び散って目や口に入ってしまうトラブルも考えられます。サンポールが口に入ると口腔内のただれ、目に入ると視力低下や失明が引き起こされることがあります。
強力な薬剤を使って掃除やつまりの除去をおこなうときには、安全のためにゴム手袋をつけたり、保護メガネをかけたりしておきましょう。
万一薬剤が皮膚に付着したときや目や口に入ったときには十分に水で洗い流すことが大切です。もし異常が現れたときには、すぐに病院で診察を受けましょう。
また、小さな子どもがうっかり触ることがないよう、子どもの手の届かない場所に保管することも肝心です。
サンポールでトイレつまりが解消しないときには
サンポールはしつこい尿石もある程度落とせるパワーを持ちます。しかし、長い時間をかけて蓄積した尿石汚れは、サンポールを使っても落としきれないことがあります。
また、トイレのつまりの原因が尿石でない場合には、サンポールを使ってもつまりを解消させることができません。
つまりがなかなか改善しないときには、専門業者に相談をするのがおすすめです。トイレ修理のプロは、業者向けの洗剤や器具を使ってトイレのつまりを手早く解消してくれます。
まとめ
塩酸が多く配合されているサンポールには、トイレの尿石を落とす効果があります。尿石の付着によってトイレのつまりが起きているときには、サンポールを使った掃除を試しましょう。
とはいえ、サンポールを使ってもつまりが改善しないこともあるものです。トイレのつまりに困らされているときには、専門業者に相談してつまり除去の作業をしてもらうのもおすすめです。