トイレタンクの異音ごとの原因や対処法を徹底解説
トイレを使ったときに「あれ?前からこんな音してたっけ?」と思ったら、それはトラブルのサインかもしれません。
トイレのトラブルは音の種類によってその原因が分かる場合があります。
ここでは、トイレタンクをはじめ、トイレで聞こえるさまざまな異音からその原因を探るとともに、対処法についても紹介します。
トイレタンクから変な音がする場合は早急に対応を!
トイレの異音はトイレタンクからすることが少なくありません。そして、その原因として多いのはタンク内での水漏れや詰まりです。
「変な音はするけど、使えているから大丈夫だろう」とそのまま放置していると、他の部品まで故障するなど、悪化してしまう恐れがあります。トラブルの内容によっては自分で直せるケースもあるため、まずは異音がしたら放置をせず、音の原因を探ることが大切です。
トイレのトラブルは自分で直せるものもあります。しかし、一般的にトイレのトラブルは日常的に発生するものではありません。そのため、修理に慣れていない方も多く、自分で修理しようとしてかえって状態が悪くなることもあります。また、なかにはトイレの修理自体に抵抗を感じる方もいるでしょう。
これから紹介する異音の原因を確認したうえで「自分で修理することに不安を感じる」という場合には専門業者に依頼をすることをおすすめします。
トイレタンクの異音ごとの原因や対処法
トイレの異音のなかでも特に多いのが、トイレタンクの不具合からくる音です。トイレタンクの異音にはいくつかの代表的な原因があり、その原因によって音が異なります。つまり、トイレタンクの異音によって原因を特定できる可能性があるのです。
代表的なトイレタンクの異音としては次のものが挙げられます。
- 「シュー」
- 「ブーン」または「ゴー」
- 「チョロチョロ」
ここからは、それぞれの音の原因と対処法を紹介します。
1. トイレタンクの異音が「シュー」の場合
トイレの水を流したあと、あるいは水を流してからしばらく経った何もない状態のときに「シュー」という音が数分単位で続く場合は、トイレタンク内の部品が故障しているかもしれません。そして、部品が故障していることによりタンク内で水漏れが起こっており、水漏れにより「シュー」という音がしている可能性があります。
水漏れを放置していると、やがてタンクから水があふれ出てきたり、水道料金が高額になる恐れもあります。
「シュー」という音の原因は、トイレタンク内にある「ボールタップ」と呼ばれる手洗い管から繋がっている部品の、タンクの側面に近い部分にある部品の故障によるものの可能性があります。レバーを引いていない状態でこのボールタップの根元から水が出ている場合は損傷を起こしています。
そのほかにも、タンクの底の部分にある「ゴムフロート(フロートバルブ)」と呼ばれる黒色の半球状の部品が損傷している場合は、何もしていない状態にもかかわらず便器内に水がチョロチョロと流れ出ることがあります。
対処法1:ボールタップの交換
ボールタップはホームセンターなどで購入でき、自分で交換することも可能です。基本的な交換手順は次のとおりです。
- 止水栓を閉め、タンクのフタを外す
- レバーを回し、タンク内の水を抜く
- モンキーレンチを使い、ボールタップのナットを外す
- 古いボールタップを外し、新しいボールタップを取り付ける
- 3と反対の手順でボールタップのナットを付ける
- 止水栓を開き、オーバーフロー管(ゴムフロートについている太い管)の先端が2~3cm程度出ている状態で水が止まるかを確認する
- 6の水位に問題がなければフタを戻して交換完了
なお、ボールタップの型番や形状などが異なると交換できないため注意しましょう。
対処法2:ゴムフロート(フロートバルブ)の交換
ボールタップと同様、ゴムフロートも次の手順で交換が可能です。購入の際は型番や形状に注意しましょう。
- 止水栓を閉め、タンクのフタを外す
- レバーを回し、タンク内の水を抜く
- 古いゴムフロートとレバーに付いているチェーンを外す
- 新しいゴムフロートに交換する
- チェーンの長さを調節する
- 止水栓を開き、オーバーフロー管(ゴムフロートについている太い管)の先端が2~3cm程度出ている状態で水が止まるかを確認する
- 6の水位に問題がなければフタを戻して交換完了
5のチェーンの長さは、長くなるほど流れる水の量が減り、短くなるほど水の量が多くなります。
2. トイレタンクの異音が「ブーン」または「ゴー」の場合
トイレタンクから「ブーン」や「ゴー」といった船の汽笛のような音が聞こえる場合は、共鳴現象が起こっている可能性があります。これは、トイレタンクの振動が配管に響いて起こる現象です。
共鳴現象の原因は「1. トイレタンクの異音が「シュー」の場合」で紹介したボールタップや風船のような浮き玉(浮き球)、タンク内にあるいずれかのパッキンの劣化が考えられます。
対処法:部品の交換もしくは専門業者に依頼
共鳴現象の原因と思われる場所が目視で確認できる場合は、ボールタップなどの交換で対処できる可能性があります。しかし、原因が明らかでない場合は部品を自分で交換しても状態が改善しないことも考えられます。
自分で交換することにより状態をさらに悪化させてしまう恐れもあるため、原因が明らかでない場合には問題の早期解決のためにも専門業者に依頼することをおすすめします。
3. トイレタンクの異音が「チョロチョロ」の場合
トイレタンクから「チョロチョロ」という音がする場合は、明らかに水漏れが原因です。「1. トイレタンクの異音が「シュー」の場合」で紹介したボールタップやフロートバルブが損傷し、水漏れを起こしている可能性があります。
特にフロートバルブが損傷している場合には便器内に水漏れが起こりますので、何もしていない状態で便器内に水が流れていないかを確認し、さらにタンクのフタを開けてフロートバルブの状態も確認してみましょう。
便器内に水が流れていない場合は、タンク内の水位に以上がないかを確認しましょう。水位が高く感じる場合はボールタップや浮き玉の故障も考えられます。
対処法:フロートバルブの交換もしくは専門業者に依頼
便器内に水漏れが起こっている場合はフロートバルブの損傷が考えられるため、フロートバルブを自分で交換してみるのも一つの手です。しかし、はっきりと原因が特定できない場合には専門業者に依頼することをおすすめします。
トイレタンク以外で異音が聞こえる場所とは
トイレの異音はトイレタンク以外の場所でも起こることがあります。トイレタンク以外の場所で聞こえる代表的な異音としては次のものが挙げられます。
- 「ゴボゴボ」
- 「コンコン」「カンカン」
- 「ポコポコ」
- 「ゴンッ」「ガンッ」
ここからはトイレタンク以外で異音が聞こえるケースについて紹介します。
1. 便器の奥から「ゴボゴボ」と異音がする場合
トイレの水を流したときに「ジャー」という通常の音とは違う「ゴボゴボ」「ゴポゴポ」という異音が聞こえた場合は、異物がつまっている可能性があります。異物により水と空気が混ざることで異音が発生するのです。
特に近年は水圧を抑えた節水型のトイレを設置するケースが増えているため、一度に大量のトイレットペーパーを流すことで便器の奥でつまりを起こすことも少なくありません。また、誤って水に流せないタイプのティッシュやナプキン、アクセサリー類などを流してしまうことでもつまりは起こります。便器の奥から「ゴボゴボ」という音が聞こえたら、異物を流した可能性がないか確認してみましょう。
便器の水が引かず、便器一面に水が溜まってしまう場合は明らかに異物がつまっています。
対処法1:水を一気に流す
「ゴボゴボ」と音がしているだけで、つまりの原因がトイレットペーパーであると分かっている場合は、水を一気に流すことで対処できる可能性があります。
バケツに水を汲み便器より少し高い位置から便器内に一気に水を流し込みます。このとき、便器から水が溢れ出さないように気を付けましょう。
対処法2:ラバーカップ(スッポン)を使う
便器一面に水が溜まってしまっている場合は、ラバ―カップ(スッポン)を使うことで対処できる可能性があります。ラバーカップを使う際は、便器の周辺に汚水が飛び散る可能性があるため、まずは周辺を新聞紙などを使って養生します。
便器内の水が多すぎる場合には、灯油ポンプなど水を汲み取れるものを使い、便器の上面から10cmくらいまで水面が下がるように調整します。反対に水が少ない場合はバケツで水を足します。
便器をゴミ袋やビニールシートなどで覆い、穴を開け、そこにラバーカップを通します。そして、排水溝にカップをゆっくり押し込み、一気に引き上げます。これを繰り返し、つまりが除去できればバケツで便器にゆっくり水を流して完了です。
対処法3:専門業者に依頼する
つまりの原因がトイレットペーパー以外のものである可能性が高い場合や、自分でつまりを除去する自信がない場合には専門業者への依頼がおすすめです。
また、日頃から次のような点に注意することでトイレをつまりにくくすることができます。
- 誤って便器に落としてしまうようなものをトイレに置かない
- トイレットペーパーはシングルタイプを使用する
- ウォシュレットを使い、トイレットペーパーの使用量を減らす
- タンクにペットボトルなどを入れない
つまりを自分で対処できる場合でも完全につまりを除去できるとは限りませんので、不安を感じた場合にはまずは専門業者に相談してみましょう。
2. 排水管のあたりから「コンコン」「カンカン」と異音がする場合
冬場に排水管のあたりから「コンコン」「カンカン」という異音がする場合は、排水管の膨張によるものかもしれません。これは、気温が低くなって冷たくなった排水管に水が流れることで起こります。排水管と比較すると水温のほうが高いため、排水管が膨張し、壁など周囲の構造物にぶつかって異音が聞こえるのです。
対処法:気になる場合には専門業者またはリフォーム業者に相談
排水管の膨張によって発生する異音は季節性のものであるため、特に対処をする必要はありません。
しかし、音の大きさが気になる場合や、比較的気温が温かい季節に異音がする場合には専門業者へ相談されることをおすすめします。場合によってはリフォーム業者の対応範囲内の可能性もあります。
3. 排水管のあたりから「ポコポコ」と異音がする場合
大雨が降ったときに排水管のあたりから「ポコポコ」と異音がすることがあります。これは、大量の雨水が排水管に一気に流れ込むことで起こるものです。晴れた日には起こらない現象のため、あまり心配する必要はないといえます。
対処法:浄化槽のフタを変える
雨の日に起こる「ポコポコ」という異音はそのままにしておいても特に問題はありませんが、気になる方は浄化槽のフタを空気を逃すための穴があるものに変えることで収まります。
ただし、道路よりトイレが低い位置にあるケースでは排水溝から水が逆流する恐れもあるため、大雨や豪雨の際は生活排水を減らすよう意識をし、様子を見ましょう。
4. トイレとは違う場所から「ゴンッ」「ガンッ」と異音がする場合
トイレの壁など、トイレタンクや便器とは違う場所から「ゴンッ」「ガンッ」という異音が聞こえる場合は「ウォーターハンマー現象」である可能性が高いでしょう。
ウォーターハンマー現象は、排水管内の圧力が急激に変化し、水がぶつかり合うことにより起こります。ウォーターハンマー現象は、洗濯機を使うときやお風呂の蛇口をしめたときなどにもみられます。
対処法:専門業者に「水撃防止装置」の設置を依頼する
ウォーターハンマー現象は放置すると水道管の破裂や給湯設備の故障を引き起こします。水道管の破裂は建物全体にも影響するため、最悪の事態を招く前の早めの対応が必要です。
ウォーターハンマー現象は、止水栓に「水撃防止装置」と呼ばれる専用の装置を設置する、あるいは新しいものに交換することで防止できます。まずは専門業者に依頼をし、状況を説明しましょう。
また、水道配管が古い場合や、配管の構造に不具合がある場合は配管を引き直すケースもあります。
トイレの異音に悩んだらプロに相談しよう!
トイレの異音は自分で対処することもできますが、原因が特定できないときや、作業に不安があるときは無理をしない方が無難です。
また、音が気になっていたものの放置していた場合、プロでないと対処が難しいケースもあります。
「トイレつまり修理センター」は、24時間365日営業です。ご相談から最短30分でお客様のもとへお伺いし、作業を行います。土日祝、夜間も割増料金は不要です。お急ぎの場合にはぜひお近くの「トイレつまり修理センター」までご相談ください。
まとめ
トイレタンクの異音ごとに、音の原因や対処方法を紹介しました。
トイレの異音にはさまざまな原因がありますが、いつもは聞こえないはずの異音が聞こえるということは、何らかの異常が起こっていることが考えられます。
トイレの異音は今回紹介したような方法で自分で解消できることもある一方、修理の方法などを誤るとかえって事態が悪化し、費用も多くかかってしまう可能性があります。
また、異音を放置すると悪化するケースも多いため、いつもと違うと感じたら早急に専門業者に相談しましょう。