トイレつまりの原因や簡単にできる直し方のコツ10選を完全ガイド
目次
トイレつまりの症状
ある日いきなりトイレがつまることもありますが、基本的には便器から異臭がするなど、トイレのつまりにはいくつか前兆があります。その前兆を放置しているとトイレがつまってしまい、使用できなくなってしまいます。
まずは、トイレがつまってしまったときに現れる主な症状をみていきましょう。
1. 水の流れが悪い
水を流したときに流れが悪く、水位が高くなってしまうときはトイレがつまっている証拠です。トイレつまりの典型的な症状で、実際にこの現象を体験したことがある方もいらっしゃると思います。
しばらく見守っていても水位が全く変化しない場合、トイレが完全につまっている可能性が高いです。このままではトイレを使用することはできないため、自分で対処するか業者を呼ぶ必要があります。
なお、水を大量に流してしまうことは絶対に避けましょう。無理に流そうとすると、症状が改善するどことか床が水浸しになってしまうこともあります。パニックにならず、落ち着いて対処してください。
2. 水位が異常に低い
トイレの水位がいつもより低い場合も、トイレがつまっている可能性が高いです。この現象を封水切れ(ふうすいぎれ)と呼びます。トイレにつまったものが便器内の水を吸い出し、水が排水管に移動することなどが原因です。
封水とは、悪臭や害虫が入ってこないように配管内に溜めている水のこと。ゆえに、封水切れが起きると衛生的によくないだけではなく、悪臭や害虫の侵入被害に遭うこともあります。
トイレのつまりというと「水が流れなくなる現象」を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、実は水位が下がったときも危険な状態なため、封水切れが起きたときは早めに対処しましょう。
トイレつまりのよくある原因
そもそも、トイレはどうしてつまってしまうのでしょうか。トイレのつまりを予防して快適に使用するためにも、トイレがつまってしまう原因について知っておきましょう。
1. トイレットペーパーのつまり
意外かもしれませんが、正しいトイレの使い方をしていてもトイレがつまることはあります。用を足したあとに大量のトイレットペーパーを一気に流すことで、トイレがつまってしまうのです。また、便が原因でトイレがつまってしまうケースもあります。
この場合はトイレつまりの症状が現れても、時間が経てばトイレットペーパーや便が溶けて症状が解消することが多いです。
トイレつまりの原因に心当たりがない場合は、トイレットペーパーや便のつまりが原因であることが考えられます。一度時間を空けてから再度水を流し、症状が改善するかどうか確認することをおすすめします。
2. 流れにくいものを流してしまった
トイレットペーパー以外のものを流してしまった場合は、当然トイレつまりの原因となってしまうことがあります。トイレや排水管に与えるダメージは大きいです。「小さいから流れるだろう」とトイレットペーパー以外のものを流す習慣がある方は、今すぐにやめましょう。
とくに、以下のものが流されてトイレがつまるケースが多いです。
おむつパッドやおしりふき
生理用品
猫砂などのペット用品
掃除道具やメガネ、おもちゃなどのプラスチック製品
トイレにある置物やタオル
介護用品やサニタリー用品は、水に流せると記載してあっても、トイレの構造によってはつまってしまうことがあります。同様に水に流せる猫砂も、猫のふんが混じっていることによってつまりやすくなる可能性が高いです。トイレットペーパー以外のものを流すときは、たとえ水に流せると書いてあっても注意が必要です。
高齢者やお子さんがいる場合、おもちゃやトイレの備品を誤って流してしまうこともあります。心配な場合は、お子さんをトイレで遊ばせない、余計なものは置かないなどの対策をとっておきましょう。
大人の方でも、トイレ掃除の際に部品やメガネなどを誤ってトイレに落としてしまうことがあります。落としてしまった場合は流さずに、落としたものを全て取り除いてからトイレを使用しましょう。
3. 尿石が溜まっている
「何も落としていないし、大量のトイレットペーパーも流していない」という場合、もしかしたら尿石が原因でトイレがつまってしまっているのかもしれません。
尿石とは、尿に含まれるカルシウムイオンが固まったものです。黄色く結晶化するところが特徴で、便器の黄ばみの原因となることもあります。
尿石は排水管などに付着し、溜まってしまうことがあります。便器が黄色くなっている場合や尿の匂いが強い場合は、尿石が溜まっている可能性が高いです。早めの除去をおすすめします。
尿石は一度溜まると、時間の経過とともに固くなっていきます。放置すればするほど、取り除くことが困難になっていくのです。頑固なものになってしまうと自分では取りきれないため、業者に依頼する必要が出てきます。尿石を溜めないように、日頃からこまめにトイレを清掃しておきましょう。
4. 手洗い管の水漏れ
トイレ周辺で水漏れが起きている場合もトイレつまりの原因となってしまうため、注意が必要です。
とくに手洗い管で水漏れが起きているとタンク内の水が適切な量に保たれなくなり、トイレを流したときの水圧が弱くなってしまいます。その結果トイレットペーパーなどが流れにくくなり、つまりを起こしてしまう可能性が高まってしまうのです。
トイレを流していないのに、手洗い管からチョロチョロと水が出続けていませんか?手洗い管が水漏れしてしまっている場合、自分で修理をすることは難しいです。症状が悪化する前に、専門業者に点検してもらうことをおすすめします。
5. タンクの故障による水量不足
トイレタンクの異常もトイレつまりを引き起こす原因です。トイレタンクに何らかの異常が生じてきちんと水が溜められなくなると、トイレの水流が弱くなってしまいます。その結果トイレットペーパーなどの流れが悪くなり、つまりが起きてしまうのです。
とくに、節水のためにタンク内にレンガやペットボトルを入れている方は要注意です。たしかに、レンガやペットボトルなどをタンクに入れると水位が上がるため、流れる水の量が節約できます。しかし、弱い水流でトイレを使用し続けると汚物が流れにくくなり、最終的には排水管が汚物でつまってしまう可能性もあるのです。タンクの故障にもつながるため、タンク内にものを入れることはおすすめできません。
手洗い感と同様、タンクの故障は自分で直すことはできません。場合によっては高額な修理料金を取られてしまう故障に発展することもあります。タンクにものを入れることは避け、正しい使用方法を守ってください。
トイレがつまってしまったときに自分でできる対処法10選
どんなに気を付けていても、トイレのつまりを完全に予防することはできません。万が一つまってしまったときのために、正しい対処法を知っておくと自分で症状を改善させられることもあります。
ここからは、トイレがつまってしまったときに試して欲しい、自分でできる対処法について解説していきます。
作業前に準備しておくこと
まずは自分でできる対処法を試す際に用意するものと、準備しておくべきことを紹介します。
(用意するもの)
ゴム手袋
雑巾
ビニールシートや新聞紙
マイナスドライバー
バケツ
灯油ポンプ
(準備)
安全のためにゴム手袋をつける
温水洗浄便座の場合はトイレの電源プラグを抜く
タンクから床や壁に伸びている「止水栓」を右回りに回して閉める
便器の周りにビニールシートや新聞紙を敷く
水位が高い場合は灯油ポンプとバケツで水をある程度抜いておく
作業中は感電の恐れや、汚水で床が浸水する可能性があります。安全かつ衛生的に作業をするためにも、事前の準備は必ず行ってください。
1. バケツやペットボトルで水を流す
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、溶けやすい紙類など流れてもよいもの
まず試して欲しいのが、水を流す方法です。排水口に向けて強い水圧を送り、つまっているものを押し流すことができます。
この方法はトイレットペーパーや便など、本来水に流れるものがつまってしまったときに有効な方法です。異物が原因でつまってしまった場合は症状を悪化させてしまうため、ほかの方法を試してください。
(手順)
バケツやペットボトルに水をくむ
高めの位置から排水口にむかって水を流す
水がスムーズに流れるようになるまで繰り返す
ポイントは、水の流れを見ながら行うこと。一気にたくさん流すと水位が上がって溢れてしまうため、注意が必要です。
2. お湯を流す
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、溶けやすい紙類など流れてもよいもの
次に試して欲しい方法が、お湯を流す対処法。水を流す方法と同様、トイレットペーパーや便など水で流れるものが原因でつまっている場合に有効です。お湯を流すことで、固まっているつまりの原因が溶けやすくなり、流れが改善する可能性があります。
(手順)
排水口にむかって40〜60度のお湯を流す
何度かに分けてお湯を流したら1時間放置する
バケツで水を流し、排水を確認する
ポイントは、お湯を入れたら1時間ほど放置して、トイレットペーパーを溶かす時間を設けること。ただし、高温のお湯は便器を傷めたり割ってしまったりする可能性があるため、水温には十分に注意しましょう。
3. クエン酸と重曹を使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、蓄積した汚れなど
クエン酸と重曹を反応させると、炭酸ガスが発生します。このガスは汚れを浮かせて流す作用を持っているため、軽度汚れによるつまりなら解消することが可能です。薬剤を使用する必要がないため、安全性に気を配りたい方にもおすすめのつまり解消法になります。
(用意するもの)
重曹 4分の1カップ
クエン酸(もしくはお酢) 2分の1カップ
50℃くらいのぬるま湯 便器の半分を満たす量
(手順)
排水口に重曹をかける
重曹の上にクエン酸をかける
お湯を入れて泡を1時間ほど放置する
バケツで水を流し、つまりが解消したかを確認する
正しい分量を入れないと、泡が発生しすぎて便器から溢れてしまう可能性があります。不安な場合は水を一気に入れるのではなく、少しずつ足し入れるようにしましょう。
4. 酸性薬剤を使用する
☆こんなつまりにおすすめ:尿石
尿石が原因でトイレがつまっている場合、尿石を取り除けばつまりは解消されます。頑固な尿石は自分で取り除くことはできませんが、排水管の浅い部分でできた尿石であれば十分に取り除ける可能性が高いです。
尿石はアルカリ性の汚れなので、取り除くときは酸性の薬剤を使用します。安全のためにも、必ずトイレ用の薬剤を使用してください。程度が酷くないものには「サンポール」、頑固なものには「尿石除去剤デオライト」などの商品がおすすめです。
薬剤を使用することに抵抗がある場合は、クエン酸やお酢を使用しましょう。薬剤ほどの効果はありませんが、軽度の尿石の除去は十分に可能です。
(手順)
薬剤をトイレに入れて放置する
※量や時間は説明書きに従ってください
ブラシで汚れを磨き、水を流す
薬剤は薄まってしまうと効果が弱まるため、灯油ポンプでしっかりと便器内の水を抜いておくことがコツです。
有害なガスが発生することがありますので、使用時は決してほかの薬剤を投入しないでください。十分に換気し、トイレ内の空気を吸い込まないように注意しましょう。
5. ラバーカップを使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、異物
トイレのつまりといえば、ラバーカップの使用が一般出来ですよね。「スッポン」の通称でも知られているラバーカップは、吸引力を利用して引き上げることでつまりを解消してくれるアイテムです。
正しく使えば排水口につまった異物を取り除くことも可能です。異物を流してしまったときや、トイレットペーパーがつまってしまったときは使ってみましょう。
(手順)
便器の10cm程度下に水位が来るように水を溜める
ラバーカップを排水口に密着させ、ゆっくりと押し付ける
勢いよくラバーカップを上に引っ張る
つまりの原因が取れるまで数回繰り返す
水を流して異常がないかを確認する
周囲に水が飛ぶことを防ぎたい場合は、ビニールシートの中心に小さな穴を空け、そこにラバーカップの柄を通してから便器を覆ってください。周囲を汚すことなくラバーカップが使用できます。
6. ペットボトルを使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、溶けやすい紙類など流れてもよいもの
ペットボトルはラバーカップと同様に、引き上げる力でトイレのつまりを解消してくれるアイテムです。大きなものを引き出すほどの力はありませんが、トイレットペーパーや便などがつまってしまったときは十分に効果を発揮してくれます。ラバーカップが自宅にない場合は、ペットボトルで代用してみてください。
(手順)
排水口の穴の部分が浸かる程度の水位にする
ペットボトルのふたを外し、底をカッターやハサミで3cm程度カットする
ふたを指で押さえながらカットした部分を排水口に突っ込む
ラバーカップの要領で上下に繰り返し動かす
ペットボトルを動かす際、ふたの部分から水が出てくる点に注意しましょう。必ずゴム手袋を装着し、衛生面に気を配りながら行ってください。
7. ビニール袋を使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、異物
ペットボトルだけではなくビニール袋も、ラバーカップの代用品として使えるアイテムです。手を排水口に入れる必要があるため心理的ハードルは高いですが、手を排水口に入れるため、浅いところに異物がある場合はこの方法で取り出すことが可能です。
(手順)
排水口の穴の部分が浸かる程度の水位にする
ゴム手袋をしっかり装着する
二枚重ねのビニール袋に手を入れ、手首を輪ゴムで止める
拳を握り、排水口に入れて出し入れする
この方法行う際は、排水口への出し入れで拳を痛めないように注意する必要があります。心配であれば、軍手をしたりビニールを3枚重ねにしたりして手を保護することをおすすめします。
8. 真空式パイプクリーナーを使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、異物
真空式パイプクリーナーはラバーカップの吸引力を強力にしたものです。吸引カップにポンプがついており、吸引力と圧力の両方を使ってつまりを解消します。ホームセンターや通販サイトなどで2,000円前後で購入できますが、洗面台用やトイレ用などさまざまなサイズがあるため、購入時はしっかり確認しましょう。
ラバーカップ同様、水に流れるものだけではなく、異物を流してしまったときにも有効な対処法です。
(手順)
便器の10cm程度下に水位が来るように水を溜める
空中てハンドルを押してから便器に入れる
カップを排水口に密着させてからハンドルを勢いよく引く
2〜3を繰り返す
水中で真空式パイプクリーナーのハンドルを押すと、勢いよく水がはねます。必ず水から出してから、ハンドルを押すように意識してください。
9. ワイヤー式トイレクリーナー使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、異物
ワイヤー式トイレクリーナーとは、トイレの排水管の中を掃除するための道具です。ホームセンターや通販などで、2,000円程度で購入できます。
ワイヤーを排水管まで挿入するため、トイレットペーパーや便を砕くだけでなく、異物をひっかけて取り出すことも可能です。
(手順)
排水口にトイレクリーナーの先端部を差し込み、ハンドルを回しながら入れていく
入りにくくなったらハンドルを回してワイヤーの先端を回転させる
汚物なら押し流し、異物なら先端に引っ掛けて取り除く
使い方は商品によって若干異なるため、説明書をよく読んで正しく扱うようにしましょう。
10. 針金ハンガーを使用する
☆こんなつまりにおすすめ:トイレットペーパーや便、異物
自宅に針金ハンガーがある場合、簡易的なワイヤーブラシとして活用できます。異物を落としてしまった場合はその形状に合わせて、輪っか状にしたりフック状にしたりできるため、引っ張り出してつまりを解消したいときにおすすめです。
便器や排水管を傷つけないためにも、先端は丸めたり曲げたりしておくとよいでしょう。
もちろん、固まってしまったトイレットペーパーや便を砕くことも可能です。自宅に専用の道具がない場合でも気軽にできる対処法ですが、便器や排水管を傷めないように慎重に行う必要があります。
(手順)
針金ハンガーを棒状に伸ばし、先端を好きな形に加工する
針金ハンガーを排水口の奥に入れ、上下左右に動かしながらつまりの原因を探す
原因となるものに触れたらハンガーを動かして細かく分解する
もしくは、引っ掛けて取り除く
ただし、排水管の奥につまりの原因がある場合はつまりの原因を余計に押し込んでしまい、逆効果になることもあります。この方法は、比較的浅い部分につまりの原因があるときのみ実践しましょう。
トイレのつまりを直すときのNG行為
トイレのつまりを自分で直す方法について解説してきました。トイレのつまりは自分でも直せることがありますが、対処法によっては便器や排水管を傷つけたり割ってしまったりする危険性があるため、注意が必要です。
便器や排水管を傷つけた場合、高い修理代が必要になってしまうこともあります。そんなことにならないように、トイレのつまりを直すときに注意したいNG行為について知っておきましょう。
1. 熱湯や大量の水を流す
トイレに水を流すときやお湯を流すときは、流す水の量と温度に注意しましょう。
軽度のつまりは少し強い水流で水を流せば改善することがあります。しかし、トイレがつまっている状態で大量の水を流せば、水が溢れ出してトイレ内が水浸しになってしまう可能性も。後片付けが大変なうえに衛生的にもよくないので、水を流してつまりを解消させるときは、量を見ながら少しずつ流し込むことが大切です。
また、必ずぬるま湯程度の温度のお湯を入れるようにしましょう。「熱ければ熱いほどつまりに効果的なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全くありません。
便器はとても熱に弱いため、熱湯を注ぐことで便器にヒビが入ったり割れてしまったりすることもあります。最悪の場合、便器ごと交換することになってしまい、余計な費用がかかってしまうこともあります。必ず適切な量、水温を守って水を流すように心がけてください。
2. 強い薬剤を流す
トイレつまりの原因がわからない場合、むやみに強い薬剤を流すことは避けましょう。
最近では、業務用の強力な薬剤が通販などでも気軽に購入できるようになりました。強い薬剤は効果が高いですが、その分取り扱い方法が難しいことも多いです。皮膚についたり目に入ったりしたときに場合に危険なものばかりなので、できることなら使用は避けておいた方が安心でしょう。
とくに薬剤に敏感な方やお子さんがいるご家庭は、自己判断で薬剤を使用することはおすすめできません。
また、強い薬剤といっても、どんなつまりにも効果がある万能薬ではありません。たとえばおもちゃがつまっている場合は、どんなに薬剤を入れてもつまりは改善しないのです。
薬剤を使用するのは、つまりの原因がわかっているときのみにしてください。正しく使用できないと最悪の場合、健康被害が出たり便器の交換が必要になったりするリスクがあります。
3. 便器を外す
トイレのつまりが取れないからといって、自己判断で便器を外すことはやめてください。トイレの取り外しはプロでないと時間がかかって難しいうえに、故障したり元に戻せなくなったりする可能性も高いです。
うまく取り外せたとしても、便器の取り扱い方法がわかっていないと汚物が飛び散って周囲に付着してしまう可能性もあります。やみくもに便器を分解しないようにしましょう。
どうしてもつまりが改善しない場合は、自分で解決しようとはせず、業者に依頼することをおすすめします。
こんなときは要注意!トイレつまりが起こる前兆
トイレは異物などが原因で突然つまってしまうこともありますが、ほとんどの場合つまる前には前兆が現れます。
トイレつまりの前兆は、便器や排水管からのSOS。しっかりと前兆を察知して早めに対象すれば、比較的簡単に対策をとることが可能です。
ここからは、トイレ止まりが起こる前兆についてご紹介していきます。
1. 水を流したあとに水位が高くなってから下がる
トイレがつまると、水を流したときに流れが悪くなって水位が高くことはご説明しました。しかし、トイレに入った時点で水位に異常が見られなくても注意が必要なケースがあります。
それは、トイレが少しだけつまっている状態の場合です。この状態のトイレは、水を流した直後は水位が若干高くなります。しかし、つまりの隙間から少しずつ水が流れ、時間が経つと正常な水位に戻っていきます。トイレに入るときは自然に水位が目に入りますが、流したあとの水位を意識して見ることはそう多くありません。したがって、トイレの軽度なつまりには気が付きにくいのです。
この段階でトイレのつまりに気がつくことができれば、ラバーカップやお湯、酸性の薬剤やクエン酸と重曹などで比較的簡単に対処が可能です。日頃からトイレの水の流れを意識して見ておくことで、大きなトラブルに発展することを防げます。
ただし、異物を流したことが原因で流れが悪くなっている場合は、上記の対処法を試しても意味がありません。ワイヤー式トイレクリーナーを使用したり業者を呼んだりして、重症化する前に対処することをおすすめします。
2. タンクから出る水が少ない
水を流したときにタンクから出る水が少ない場合は、トイレつまりに発展する可能性が高いため注意が必要です。
流す水の勢いが常に弱いと、排泄物やトイレットペーパーが便器の奥や排水管の途中で止まるようになってしまいます。「タンクから出る水が少ない=トイレがつまっている状態」ではありませんが、早めに対処する必要がある症状です。
タンクから出る水が少なくなる原因としては、部品の劣化や水漏れが挙げられます。自分で直せる部分ではないため、専門の業者に依頼して直してもらいましょう。
3. 異音が聞こえる
水が問題なく流れていても、便器から異音がする場合はトイレつまりの前兆なので注意が必要です。今は問題なくても、放置していると突然水が流れなくなってしまう可能性があります。
この場合、つまっているのは便器内ではなく排水管である可能性が高いです。高圧洗浄などで排水管を清掃することで、つまりが解消するかもしれません。しかし、一般のご家庭に高圧洗浄機があることは稀でしょう。くわえて高圧洗浄は素人が行うと排水管を傷めてしまう可能性が高いため、排水管の清掃をしたいときは業者を呼んで専門家にお願いするようにしてください。
また、つまっている場所によってはキッチンや洗面所などから異音が聞こえるケースもあるため注意しましょう。これはトイレで流したものが便器から流れ、排水管の深いところや排水が合流する排水枡でつまっている場合に起きる現象です。
とくに、マンションのように住宅が密集する場所では、配管をひとつにまとめていることが多い傾向にあります。自宅のトイレつまりを放置した結果、周辺一帯に迷惑をかけてしまうことにもなりかねないので、水回りで異音が聞こえるときは注意が必要です。
4. 異臭が気になる
便器から異臭がする場合も、放っておくと便器つまりを引き起こしてしまう可能性が高いです。この場合、尿石や汚物が排水口に溜まってしまっていることが考えられます。今は水の流れが正常でも、汚れが蓄積してどんどん水の流れが悪くなっていくことが予想されます。
まずはお湯やクエン酸と重曹、ラバーカップなどを試して症状が改善するか確認してみましょう。症状が改善しない場合は、酸性の薬剤などで尿石を取り除く方法が有効です。
また、自分では対処できないと判断したら業者に依頼して対処してもらうようにしましょう。やみくもな対応はかえって故障の原因となる可能性もありますので、注意してください。
トイレつまりを防ぐ予防法7選
トイレがつまってしまったときの対処法をご紹介しましたが、一番よいのはトイレがつまらないように正しく使用することです。とはいえ、どんなことに気をつけたらよいかわからない方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ここからはトイレの使用時に意識してほしい、トイレのつまり予防法についてご説明していきます。
1. トイレットペーパーや便を大量に流さない
日常的に気をつけて欲しいのが、トイレットペーパーの使用量です。大量に流してしまうと、たとえ水に流れるトイレットペーパーでもつまりを起こしてしまう可能性があります。
一度に流すトイレットペーパーの量は、以下の量を目安にしてみましょう。
大洗浄:シングル10mまで、ダブル5mまで
小洗浄:シングル3mまで、ダブル1.5mまで
ECO洗浄:大便やトイレットペーパーは流せない
大洗浄の場合、ゴルフボール7個分くらいをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。使用量が目安よりも多くなりそうなときは、数回に分けて流すようにしてください。
なお、海外製の安いトイレットペーパーのなかには、水に溶けにくい素材でできているものもあります。海外のものを使うときは、トイレに流せる素材かどうかをしっかりと確認してくことが大切です。
また、意外に思われるかもしれませんが、便を流すことでトイレがつまってしまうこともあります。サイズが大きい便や硬い便はただ水を流しただけでは崩れず、流れにくい傾向があるのです。
便が流れにくそうだと判断した場合は、トイレブラシなどを使ってほぐしてから流すことをおすすめします。ほぐすことに抵抗がある方は、便をしばらく放置してふやかしてから流してもよいでしょう。便をしたあと一度流してからトイレットペーパーを使用するのもおすすめです。
2. トイレットペーパー以外は流さない
当然ですが、トイレをつまらせたくないならトイレットペーパー以外のものを便器に流してはいけません。
最近は水に流せる掃除シートなども販売されていますが、トイレットペーパーよりも厚くて丈夫にできているため、トイレによっては流せないこともあります。もしも水に流せる掃除シートなどを流したい場合は、数枚まとめでではなく一枚ずつ流すようにしてください。
また、オムツや吸水シート、生理用品にはとくに注意が必要です。こういった商品には「吸水ポリマー」が使用されており、水を吸って膨らんでしまうためです。水を吸って大きくなってしまうと自分で取り出すことが難しくなってしまうので、流したことに気がついたときは早急に取り出す必要があります。
高齢者やお子さんが誤って異物を流してしまうこともあります。トイレにはものを置かない、お子さんがトイレで遊ばないようにするなど、不意に異物を流してしまうことがないように注意しましょう。
3. トイレタンクの水量をチェックする
普段トイレを使用しているなかで、トイレタンクを確認する機会はなかなかありません。しかし、トイレのつまりを予防するためには、トイレタンクの状態を確認することも非常に大切です。タンク内の部品が故障している場合、十分な水流で水が流れなくなり、トイレのつまりを引き起こしてしまいます。
十分な水流を確保するためにも、タンク内に余分なものは入れないようにしましょう。
もしも水流に少しでも違和感を覚えた場合は、タンクを開けて正しい量の水が溜まっているかどうかを確認してください。異常があれば、早めに業者に点検を依頼してください。
4. 排水管を定期的に除去する
尿石や汚物の付着によるつまりを防ぐためにも、排水管は定期的に清掃する必要があります。トイレの排水溝は入り組んだ形をしているので、ブラシなどでゴシゴシこすって掃除することは難しいです。したがって、薬剤を使った掃除がもっとも楽でおすすめできます。
トイレがつまったときの対処法でもご紹介したクエン酸と重曹を使った方法は、排水管の汚れ落としにも有効です。つまりが起こっていなくても、日常的な掃除の手段として実践してみてもよいでしょう。
薬剤に抵抗がない場合は、排水溝用のパイプクリーナーを使用しても構いません。ただし、この方法では尿石は落とせないため、定期的に酸性薬剤を使った尿石除去もすることをおすすめします。
どうしてもブラシなどでこすって掃除をしたい場合は、ワイヤーの先にブラシがついている排水管専用のクリーナーを使用してもよいでしょう。ただし、便器を傷つけないように十分注意する必要があります。最近は、ワイヤー部分に樹脂コーティング施されていて便器を傷つくにくくしている商品もあるため、そういったものを使用するのもひとつの手です。
5. ペットのふんや猫砂を流さない
ペットのふんをトイレに流している方や、水に流せる猫砂を利用している方もいらっしゃると思います。自治体の下水処理能力によって推奨される糞尿の処理方法は異なりますが、トイレのつまりを防ぎたいならペットの糞尿をトイレに流すことはおすすめできません。
ペットのふんはドライフードなどの影響で、人間のものよりも硬く浮きやすい性質を持っています。人間の便と比べると水に溶けにくく、排水管につまりやすい傾向にあるのです。
とくに猫の場合、毛玉が便とともに排出されることもあり、余計に排水管がつまりやすくなってしまいます。
また、猫砂をトイレに流すこともトイレのつまりを引き起こしてしまう一因です。たとえトイレに流せることを謳った商品であっても、大量に流せばつまってしまうことはあります。トイレに流せない素材のものを流さないことはもちろん、流せるものであっても少しずつ流すようにするなど、工夫が必要です。
6. 小洗浄と大洗浄を使い分ける
節水のために小洗浄だけを使用している方は注意しましょう。普段から小洗浄だけでトイレを流している場合、水流が弱すぎてトイレットペーパーや排泄物がきちんと流れていない可能性があります。
便器から見えなくなっても、排水管に排泄物がとどまってしまっていることもあり得ます。この状態が続くとどんどん排泄物が蓄積され、トイレのつまりに発展してしまう危険性が高いです。
小洗浄は尿のみを流すとき、大洗浄は排泄物やトイレットペーパーを流すときと、しっかりと使い分けることが大切です。
7. 食料などを流さない
食べ残したカップ麺の残り汁などをトイレに流す習慣がある方は、トイレのつまりを引き起こしてしまう可能性があるため要注意です。食料はそのまま流すと固形が排水管につまるだけではなく、油分や塩分が固まって便器や排水管を狭めてしまう可能性があります。
同様の理由で、嘔吐物をトイレに流すことも本来は避けて欲しい行為です。固形物が含まれていることが多く、強い水流をあてても形が崩れにくいため、排水管のつまりを引き起こしてしまいます。
便と食べ残した食料や嘔吐物は、まったくの別物です。食料や嘔吐物はトイレには流さず、正しく廃棄するように注意してください。
こんなときは業者を呼んでトイレつまりを直してもらおう!
軽度のトイレつまりなら自分で対処することは十分に可能ですが、なかには自分で対処すると症状を悪化させてしまう場合もあるため注意が必要です。
排水管などが故障してしまう可能性もあるので、これからご紹介する症状に当てはまる場合は業者を呼んで対応してもらってください。
1. 配管が劣化している
水道管や排水管は、実は消耗品です。使い続ければ当然寿命が来てしまいます。目に見える水漏れが起きているときはもちろん、床などにカビが生えているときも、配管の劣化によって水漏れが起きている可能性があるため注意が必要です。
ラバーカップなどのちょっとした衝撃で割れてしまう可能性があるため、配管の劣化が考えられるときは無理に対処しないようにしましょう。たとえ自力でつまりを解消できても、地震やちょっとした衝撃で配管が破裂してしまう可能性があります。
「配管が劣化しているかも」と気がついたら、なるべく早めに業者へ連絡してください。
2. つまっているものを奥に押し込んでしまった
落としたものを拾おうとして手やワイヤーなどを入れたときに、誤って奥に押し込んでしまうことがあります。「もう少し奥に手が届けば…」と考えて深追いすることは危険なので、絶対にやめましょう。場合によっては、便器や配管を傷つけて高額な修理代が必要になる恐れも。
奥に入ってしまって取り出しにくくなった場合、業者に依頼したときに追加料金がかかることもあります。自分で取り出す自信がない場合は、初めから業者に頼んでおいた方が安上がりになるかもしれません。
3. 水が溢れてしまった
自分で対処しているうちに水が溢れてしまった場合、これ以上被害が拡大しないようにするためにも、早めに業者を呼んでおくことをすすめします。
水が溢れている場合は、トイレが完全につまっている可能性が高いです。完全につまってしまったトイレを一般人が直そうとしても難しいでしょう。衛生的にもよくないので、対処していて水が溢れそうになったら、作業をやめて業者を呼ぶことをおすすめします。
4. 便器を破壊してしまった
作業をしていて便器にヒビが入ってしまった、欠けてしまったという場合は、直ちに作業をやめて業者を呼びましょう。放っておくと水漏れしてしまい、床下漏水などを引き起こしてしまう危険性があります。
床下漏水が起きた場合は、便器の修理だけではなく床の張り替え、最近感染防止のための消毒作業も必要になります。高額な費用がかかるだけではなく近所迷惑にもつながるので、迅速に対応することが大切です。
トイレつまりを業者に直してもらうときの料金相場って?
トイレつまりの修理を業者に依頼する場合、費用がいくらくらいかかるのか心配な方は多いでしょう。ここでは、大体の料金相場について解説します。
そこまで症状が酷いものでない場合、基本料金は5,000〜1万円前後を目安に考えておきましょう。ただし、この基本料金には作業費や材料代が含まれていないため、実際にはもう少しかかることもあります。
作業時間は30分〜1時間程度。症状が軽いうちに依頼できれば、比較的費用も安く、すぐにトイレが利用できるようになります。
異物などが排水管の奥まで入り込んでしまった場合、便器を取り外す工事をする必要性が出てきます。数時間かかる大掛かりな作業になるため、費用もその分高くなってしまうでしょう。工事が必要な状態にしないためにも、自分で無理に解決しようとして状態を悪化させないことが大切です。
また、業者によっては見積り料や出張費、夜間休日料金が加算されるケースもあります。
トイレがつまるとどうしても慌ててしまうかもしれませんが、高額な料金を請求する悪質な業者には注意しましょう。
まとめ
トイレがつまってしまうと水が流れなくなるだけではなく、封水切れが起きて水位が下がることもあります。今は問題なく水が流れていても、水位の異常や異音・異臭がある場合は放っておくとトイレのつまりに発展してしまう可能性が高いです。異変を感じたら自分でできるつまり対処法や予防法を試し、早めに対処しておきましょう。
便器や排水管は、非常にデリケートなものです。安全のためにも、自分でつまりを解消できない場合は無理をせず、専門の業者を呼んで対応してもらってください。